当ブログ常連の読者様はご存じかと思いますが、筆者が洋服を選ぶ際のルールに「海外製品・インポート品のみ着用する」というものがあります。
これは決して、日本の製品を下に見たりバカにしたりというわけではありません。
僕も長らく洋服マニアをしてきまして、洋服ならジャンルを問わずなんでも好きなものですから、アレもコレもと際限なく欲しくなってしまうので無駄遣いもしてしまいますし、節操なく物が増えて仕方ありません。
それを自分でコントロールすべく、自分でモノを買う際のルールを厳格化しようと思ったのがキッカケでした。
まず、数ある服の中でもアメカジを中心とした海外のアイテムが特に好きでしたので、もう国内のアイテムは排除して、インポート物に限定しようと思いました。
そこからさらに絞り込むために、以前から良く思っていなかったライセンス品(=ブランドの名義貸し)や、さらには日本の代理店が企画生産を行っている商品にも手を出さないという細かいルールも決めました。
そういったルールを設けることで物欲を抑え、条件をクリアしたアイテムしか買えないようにしました。
予算内でそのマイルールをクリアできるアイテムをあの手この手を使って探さなければならないというゲーム性を、自分の買い物に与えることができたというわけなんです。
当ブログで紹介しているアイテムは、そのゲームをクリアした商品ばかりです。そのルールがあってこその当ブログとなっております。
しかし。
世の中、何事にも「例外」というものは存在いたします。
今回は、見事例外として僕の愛用品となりました日本のアイテムを取り上げたいと思います。
東京は上野の老舗サープラス・ショップ「中田商店」のオリジナル・ブランド、『SESSLER MFG』のチノパンです。
こちらは米軍の1945年モデルを基にしたレプリカ。もうひとつある1971年モデルと違い、501のようなボタンフライとなっているのが特徴です。
ところが残念ながら記事執筆時は売切れ!! でも定番品なので、そのうち補充されるでしょう。
しかし案ずること無かれ。SESSLERの商品は卸もしていますので、他のショップでも販売されています。
......と思ったら、どこも売り切れ!! ギャアー!!!
仕方がないので、アフィリエイトはジップフライの1971年モデルを貼っておきます……。
レプリカだから当然ですが昔の軍物そのまんまな図太いシルエットで、裾に向かってほんの少しテーパードしているので、最近流行りの90's風バギーパンツに近いノリで穿くことができます。
※写真はモワっちゃいましたが……。
とにかく生地がすこぶる良い。厚くてゴワッゴワのバッキバキです。
もしもレディースならそんな生地は絶対に良しとはされませんよね。でもこれは米軍がオリジンです。漢の世界です。ジェンダーなんて何のその。男の服はゴワッゴワのバッキバキじゃなきゃあいけません。マーク・ボランやデヴィッド・ボウイじゃあるまいし、ツヤッツヤのスベスベなんて有り得ない。
しかも生地に適度なコシもありますので、穿いてさわって、とにかく心地よい。
これを売価4千円でよく作れるなぁという印象です。
......いや。
印象でした。
これ、恐らくは生産された時期やロットによると思うのですが、とにかく縫製が粗くてですね……。
以前買ったときはそんなことありませんでした。細部までしっかりと作り込まれており、とても頑丈で、これで4,000円はあり得ないと本気で思いました。
しかしそれがサイズアウトし(涙)、大きいサイズに買い替えてみたところ、それはそれは酷い仕上がりになっており……。
糸飛びが何ヶ所もあってホツれちゃってるわステッチは曲がってズレてるわ生地に傷みはあるわで、とてもじゃないけど良品とは思えず、電話でクレームを入れ、別のものと交換をしてもらいました。
(ちなみにちゃんと着払いで、とても丁寧にご対応いただきましたよ)
代わりに送られてきたのが今穿いているものなのですが、それでもまだ股部分に糸飛びが……(上記写真)。しかしそれ以外はなんとか及第点を付けられるものでしたので、股の一ヶ所は自分でチクチクして補強しました。
とは言え、いざ穿くとやっぱり良いんですよコレ。ファッション性を完全に度外視した図太さと、ガシっとした強靭な生地の感触は、ファスト系ブランドじゃ決して味わえませんよ。
繰り返しですが、作りの粗さはタイミングによるものだと思っています。僕が買った後のものは改善されている可能性がありますので、「そんなこともあるらしい」程度で、是非ネガティヴにならずにチェックしていただきたい。
でっかいサイズが用意されているのも良いですね。36インチも欲しいぞ。
ここで話はインポート品に戻ります。
マイルールの海外モノに限定してしまうと、チノパン選びって意外と難しいんです。
MADE IN USAでちょっと良さげなものを選ぼうとすれば、「BILLS KHAKIS」や「BARRY BRICKEN」などのだいぶお高めなモノばかりになってしまう。
お金が有り余ってればもちろんこれで良いんですけど、あいにくね……
アメリカ製でもう少しお安めだと、アメカジファンにはおなじみすぎる Earl's Apparel(アールズ・アパレル)社によるブランド、「GUNG-HO」のチノもあります。
いや~、値上がりしてますね。昔はこんなの、5千円台が関の山でしたよ。
すごくカッコイイんですけど縫製がやたらと雑で、個体による当たり外れがありすぎるんですよね(ただしそれがアジでもあり、雑ながらも超丈夫だったりはします)。
そしてこれはあくまで僕個人のハナシで、何故か似合わないんですよ……。過去2本買ったものの、どちらもしっくりこないまま処分しました。
GAPだと定番品が少なくて、毎シーズン変わってしまう。
あとは僕の大好きな L.L.Bean や Eddie Bauer は、ターゲットがおじ様すぎて流石にダサいです(ま、それも悪くはないですけどね)。
※エディ・バウアーは壊滅状態でした……
DickiesやRED KAPもチノだけど、ポリ混のワークパンツですから、また別のジャンルという認識です。
そんな中で迷っているときにビビっときたのが、舶来至上主義のマイルールからは外れましたが、みんな大好き中田商店のオリジナル商品だったというわけです。
でもハッキリ言ってこれ、雑誌『POPEYE』の影響です。
雑誌を読んで良いなと。
僕の選ぶものすべてが自分で見つけたわけではありません。誰かのマネをしたり参考にしたりすることも、腐るほどあります。
POPEYEでは、SESSLERのジャングル・ファティーグも取り上げられていて、そっちもとても良さげです。
僕は米軍の69年製オリジナルを持っていますけど、残念ながら大人の成長期によりサイズアウトしてるので買い直したいなあ。
ジャングルファンティーグ 後期型 パンツ ミリタリーショップ 革ジャン 中田商店
スタイリスト長谷川昭雄さん、今はもうPOPEYEを離れられましたが、ほんとカッコイイですね。2010年以降の日本ファッション・シーンにようやく現れた、一番のトレンドセッターであり新カリスマだと思っています。
あまり表に出てこない人なので一般的な認知度は低いですが、今のメンズ・ファッション・シーンを最前で牽引している方だと本気で思っています。
どう考えても、今、どこの誰よりも多くの流行を生み出してるでしょ。
マネですよ。僕なんて結局は全部人のパクりです。オリジナリティなんて一切ありません。
別にいいんですよ個性なんてものは。普通で良いんです。
あれ……?
......もはやその“普通”というコンセプトすらも長谷川昭雄さんのパクりになってしまうという笑。
恐ろしや恐ろしや。