洋服に関しては毎年同じものを買い直したり買い足したりするだけで、新しいアイテムには興味すら失っているような状況なのですが……
靴だけは無理です。クラシックなものもニューモデルも同様に気になるし、あれもこれも欲しくなってしまう。しかしその選択にマイルールをいろいろと設けて、合致するものを探し求めて買うという遊び方は服でも靴でも同じです。
- インライン・モデルであること
- プレミアがつくようなハイプ系スニーカーは面倒なので避ける
- 上記に紐づき、レアではなく、商品展開期間中ならいつでも買えること
以下、定番以外を買う場合の努力義務として
- 人とカブりづらい、できるだけひねくれたものを選ぶ
- 日本用のモデルではなく、海外企画もしくは世界でも同時に展開されているアイテム
以上が、これまでずっと課してきた条件。
そして去年(2023年)あたりからは、本格的な中年になり体力も減退してきたことを考慮し、ファッション性よりも履き心地を重視して、
- 最新のハイテク/ランニング・モデル
という縛りも追加。
そういったルールを課すことによって、消去法ではあるものの、逆に選びやすくなるというメリットもあるんですよ。
最新のランニングモデルに注目するきっかけになったのは、今では世界中で売れに売れまくっているOnの「Cloud 5」。
決定打となったのは、New Balanceの「Fresh Foam X 1080」。これはまだまだブレイクしていない。
そして僕は欧米の大衆アイテムが好きなので、昔からよく、外国人観光客の着ているものを意識的に注意してチェックしています。特におしゃれな人ではなく、ごく一般的に着用されているアイテムにこそ興味がある。
そうやって外国人のスニーカーを眺めていると、日本では考えられないほど着用率が高いメーカーがあることに気づきました。
それがBROOKS(ブルックス)。
日本でもアメカジやヴィンテージが好きな人にはよく知られています。普通に国内展開もされていますからランニングをする人は知っているだろうし、かつてライセンス品?が量販店で販売されていた時期もあるので、まったく無名というほどでもありません。しかし、普段履きやファッション向けとして、他メーカーのような人気があるとは残念ながら云えないでしょう。現在の主な販路はスポーツショップで、おしゃれなセレクトショップでは取り扱われていないし。
ところが、外国人(おそらくアメリカ人)の足元を見ているとBROOKSを履いている人が異様なまでに多い。ごく普通に、下手したらNIKEよりも着用者が多いのではないか?と思うほど。
実際にアメリカでは、ランニング専門店でのシェア率はBROOKSが1位らしい。日本でいえば、ファッション・アイテムとしてブレイクする以前のasicsみたいな立ち位置かもしれません。読者の皆さんにも、ぜひ外国人の足元を気にして見ていただきたい。
※ちなみに自己調査によると、それ以外ではOnやHOKAが多く、asicsも増えてきている一方、NIKEとNew Balanceの着用率は意外にも相当低い。NIKE着用者は日本人でもかなり減っている印象を受けています。
欧米のファッション用ではない大衆アイテムや、敢えて人とは違うものを好むという僕の性質に、このBROOKSというメーカーの存在自体が、あまりにも合致しているではありませんか。さらに、VANSのようにブランド名は同じでも海外と日本では展開されている商品が違う……なんてことも、今のBROOKSに関しては無さそう。
というわけでこの度、ついに入手いたしました。
BROOKS 「Ghorst Max 2」(WIDEモデル)
当ブランドのロードランニング用シリーズ「Ghorst」を厚底にしたモデルで、「2」はリリースされたばかりの最新ヴァージョン。ランニングだけではなく、普段履きとしてもおすすめされています。
▼WIDEモデル
▼Dワイズ
※以上、アフィリエイトリンクを使用してます(個人ブログでもこう書かなきゃいけないらしい)
箱の内側のデザインもかわいい。
カラーはオールブラック。
実は、これまで長年にわたり守り続けてきた自己ルールをひとつ、今年(2024年)になってから改変しました。
これまでのスニーカーに関する記事の中でもほぼ毎回書いてきたのですが、自分の履くスニーカーはずっと「ホワイトソールであること」に限定してきました。さらに云えば、黒のスニーカー自体もあまり持っていなかったのです。
その理由としてはまず、白ソールのほうが軽快さが出て、重心が下がりすぎないから。もともと、重厚な服装や色合いはあまり好きではなかったのです。
もうひとつは、藤原ヒロシの真似っこ。昔の藤原ヒロシは「白ソールしか履かない」と明言しており、「そういうこだわりってカッコイイな」と影響を受けていました(なお、ヒロシ氏もだいぶ前からその自己ルールは撤廃しているようです)。
そして、以前は黒い服をあまり好まず、ネイビーがメインだったこと。ですが最近になって黒をよく着るようになり、靴も(もともと持っているものが少なかったこともあり)黒を選ぶようになってきていました。
これまでメインにしてきたネイビーのスニーカーは黒い服には合わせづらいのですが、逆に、黒いスニーカーはネイビーやグレー、ベージュの服にでも合わせやすいということに、今頃になって気づいたわけです。
そうして黒アッパー&白ソールのスニーカーから履き始めたところ、“慣れ” ってすごいですね。黒をよく履くようになったら、これまでは「ソールは白じゃないと重い」と感じていたのに、逆に足元が浮いているように感じ始めたのです。
あと、最近の流行もありますね。近年、ITベンチャー系のビジネスカジュアルや輩(やから)どもの間で、「黒スキニー × 白スニーカー」というひと昔前に流行したスタイルが定着したせいで、スニーカーに白が入っているだけでダサく見えるようになってきてしまいました(上記のような体育会系はファッションに疎いので、大体は一周遅れて広まります)。
僕は、流行には反発するところは反発し、乗るところは乗る。都合がいいだけなのです。所詮は個人の趣味のハナシですから。ここには一貫性なんてありません。
そんなこんなで、僕にとっては初めてのオールブラックのスニーカーとなりました。
そしてその履き心地。
これはすごいです。
先に買った New Balance 1080 v13のほうがクッション性は高いのですが、あまりにもフワリと沈み込みすぎて、逆に膝にクる場合があるのも否めません。普段履きも想定されているとは云え、やはり主にロードランニング向けなのか、歩く場合は靴に自分を合わせていく必要性を感じています。
ところがこのGhorst Max 2は、クッション性もちょうどよく、アウトソールがつま先にかけて大きくカーブしていますので、衝撃吸収&反発性を備えつつも、足がコロコロと転がっていく。クッションのバランスと安定感、そして前方への推進力という総合力で、New Balance 1080 v13よりも圧倒的に履きやすさは上。
かっこよくて、海外では超人気メーカーなのに日本では誰も履いていなくて、そのうえめちゃくちゃ履きやすいなんて、もう最高じゃないですか。やっほう。
アウトソールには「DESIGNED IN SEATTLE」の刻印。これも最高。
ただ、実は、デザイン的には旧モデルのほうが好きだったりするんです……
今はその旧モデルが公式サイトでセールとなっているので、そちらでも構わないという人はお得に入手できますよ。
https://brooksrunning.co.jp/collections/sale/products/brm4063-blk
僕は見た目よりも履き心地重視で、現時点での最新モデルであることが大事なので「2」こそがベスト。
普通に販売されているものですから「誰も履いていない」ということはもちろんありません。しかし、カブることは相当に稀なんじゃないでしょうか。いたとしても、オシャレで履いてるわけじゃないと思うんですよね。「ひねくれていること」を命題としている自分にとっては、現時点で、ほぼ満点の一足となりました。
でも、いずれ飽きます。経験上、これはしょうがない。これまでも必ずそうでした。いつか何らかの形で、玄関でこいつに手が伸びる機会が減るときが来るでしょう。ただしそのときまでは、これがメインになるのは確実。だって単純に、持ってる靴の中でダントツで履きやすいんですもの。
これを履いて向かうのは、知らない遠くの街なのか、それとも近場の立ち飲み屋か……。いずれにせよお出かけが楽しみになるというのはとても良いことです。
「新しい靴」の良さって、履き心地以上にそこにあるなと思っています。
それでは。