とってもおしゃれブログ

へそまがりな洋服好きの中年が全然おしゃれじゃない偏屈アイテムについて個人的な思い入れを語るブログです。

『王や長嶋がひまわりなら、おれは月見草』(野村克也)

これから作業着を着る仕事になっていきそうでして、少しずつ揃えています。

ワークマンは安くて機能的なのでもちろん良いのですが、アメカジや古着好きとしては、それより値段が張ったとしてもやっぱりアメリカン・ブランドで固めたいなと。

作業着とはいえ気に入っている服を着て仕事をすれば、(誰も見ちゃいませんが)気分もアがるってなもので。

 

アメリカのワークウェアといえば、Dickies、Carhartt、OshKosh B'gosh、BEN DAVISなどがカジュアルウェアとしても人気で、日本でライセンス展開されてファッションアイテムも数多く販売されています。

そんな中、歴史も長いのに妙に垢抜けないブランドがこちら。

 

RED KAP(レッド・キャップ)

 

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大手なので決して無名というわけではありませんが、ここ日本のカジュアルシーンではなぜか地味でマイナーな印象です。長らく日本に正規代理店が無く、ファッション向けの展開がされていないからかもしれません。

※数年前に少しだけ日本でライセンス展開されていたのですが、いま調べてみるともう無くなってそう。よく見かけたパックTなんかはライセンス品です。

 

アメリカ本国のサイトを見ても、その立ち位置はあくまでも作業着メーカーであって、ファッション向けの展開に対してほとんど興味が無いのでなないかと思われます。

しかしむしろ、そんなワークウェア・ブランドとしてのプライドこそが、ここの一番の魅力とも言えます。

 

ところがもうひとつ不思議なのが、創業は1923年とのことなのでかなりの歴史があるにもかかわらず、ヴィンテージ市場であまり価値が付いていないということ。

 

前述した他メーカーなら、チョアジャケットやオーバーオールやパンツやシャツなど、ヴィンテージとして人気のアイテムがいろいろあるのに、このRED KAPに関しては、古着で珍重されるモデルが特に存在しません。

 

そのはっきりとした理由はわからいないのだけど、もともと安価で大量に生産されているメーカーなのでタマ数自体は多くて、珍しいモデルが少ないからかもしれません。安価ということは縫製も雑なので、モノとしての価値が見出されていないという可能性もあります。

しかしそれよりも、労働者に支給されるユニフォームを作るようなメーカーですから、仕事で使い潰されてしまうため、(タマ数は多いものの)古くて状態が良いものが古着市場に出てこないということも原因なのかもしれません。

※以上、エビデンスはありませんのですべて憶測です。

 

いや、もっと大きな一番の理由......

そもそも、デザインがかっこよくないから......

なのかもしれません......。

 

いずれにせよ、ファッション業界やブランド化などには一切なびかず、一貫して労働者のための作業着を製造し続けているRED KAPこそがワークウェア中のワークウェアと言えるのではないか? という気さえしてしまいます。

 

 

さて今回は、上野のJalana「PT50」というモデルを購入しました。

hb.afl.rakuten.co.jp

 

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Googleというサイトで調べるとすぐわかるでしょうから僕がいちいちアイテム説明はしませんが、「PT20」と「PT50」という定番モデルがありまして、ざっくりいうとPT20はズドンとしたトラウザータイプのワイドシルエット、PT50は細めのジーンズタイプということになっています。

 

 

PT20のほうがより定番人気ですかね。

僕はどちらでも良いのですが、今回は単純に店頭在庫の都合でPT50を選択。色はチャコール。

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トップがボタンなのが個人的にはDickiesよりも好みのポイント。Dickiesのフックは、オーバーサイズで絞って穿いたときに外れちゃうんですよね。

縫製が雑であることはこの裏側を見ても伝わるかと思います(しかしGUNG HOなどもそうですが、縫いがランダムで雑だからこそほつれづらくて頑丈という場合もあります)。

 

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素材は綿35%ポリ65%の混紡。Dickiesと同じですが、こちらのほうが薄めで柔らかい。質感もマット。ま、そこはお好みですね。

昔から変わっていないタグのデザインもポイント。かっこいい。

 

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なんと38インチです......汗。

成長したのはもちろんですけど、ダボっとオーバーサイズで、シャツの裾をインして、さらに腰穿きをするとなると、これくらいのサイズになっちゃうんですよ......

 

品番として PT50CH0 と書いてありまして、「CH0」はチャコールグレーのことかと。んじゃ「PT50」とはどういう意味なのか?

僕もよくわからないんですけども、とりあえず「50」は置いといて、「P」はパンツ、「T」はT/Cツイル(もしくはTwillのみ)のことじゃないかと思うんですよね。

 

というのは、

 

こちらは古着で買ったRED KAPのチノパン。古いのでMADE IN U.S.A.です。良いでしょ。

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ワイドなシルエットと硬くてゴワッゴワなチノ素材が最高なんですよこれ。

 

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L. BORRIEさんが穿いていたと思われます。サイズも記載されていますが、なぜか次に載せる内タグのサイズと違ってる。こっちは実寸なのかも。

 

で、内タグを見ると品番が書いてあります。

 

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「PC10KH9」とあります。素材はコットン100%のチノ素材。

さっきの例に倣ってあてはめてみると、Pはパンツで、「C」はコットン(cotton)もしくはチノ(Chino)のことではないかと。そして「KH」はカーキ(khaki)ですね。

そして「10」はやっぱりわかりません。まあ別にいいでしょう。

 

こちらによると、このモデルは既に廃番になっているとのこと。

 

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※モワっててすみません

ジーンズタイプとトラウザータイプなので、ポケットも違いますね。

 

 

てなわけで。

 

値段は安いけど、日本に代理店が無いのでその辺のお店ではなかなか買えない。

ファッション向けじゃないから基本的にはダサい。

でも他の人気ワークブランドと並ぶアメリカを代表する現役の一大メーカーである。

 

まるで、南海時代の野村克也みたいじゃないですか。

 

Dickies、Carharttがひまわりなら、RED KAPは月見草だよ。

 

 

今度、シャツも買う予定です。裾のラウンドと丈感が古臭くてこれまたダサいんだよな~。ま、裾はインするからどうでもいいけど!