いわゆるヴィンテージではない、骨董価値の低いリーバイスのジーパンをたくさん持っているので、それらを挙げていきます。
これまでのお話はコチラ↓
さて今回は、探してみると容易に見つかるものではないが、いざ出てきてもさほど高値はつかない(であろう)一本を取り上げます。
一見すると普通の501ですが......
こちら、MADE IN CANADA です。
フランス語が併記されているのは、公用語が2ヶ国語あるカナダ特有の表記方法ですね。
「レギュラー」と呼ばれている90年代以降のUSA製501も、近年は徐々にタマ数が減り、市場価格もだんだんと高騰してきていますが、このカナダ製については話題にすらのぼっていません。
そりゃそうです。そもそも、ユーロLevi's以上に出回っていないと思われるので。
ボタン裏の数字(=工場番号)は217です。
品番は「501-0105」。リジッドではありません。
タグの情報を通常のアメリカ製の方式で読み取ると、2000年の1月製造です。カナダ工場はアメリカ工場と同時に閉鎖となったらしいので、最終期と思われます。たぶん。
では、これの特徴はというと。
まず、細い。普通のアメリカ501と比較してかなりタイト。まるで「519」や「606」のようにシュッとした作りとなっています。
そして色落ち。
ヒゲはうっすらと出ていますが......
とにかく色落ちしづらく、いつまでも濃いままなんです。
もちろん徐々に落ちてはいるのですが、他に持っている501に比べると、まったく落ちていかない。
そこそこ気に入っており一軍のローテーション入りしているので、着用頻度はかなり高いほうなんです。ゆえに洗濯も頻繁にしています。なのに、いつまでたっても濃い状態のまま。
裾のアタリはなかなかいい感じでうねりが出ています。
生地の表面はガサつきや凹凸感も少なく、ツルっとしており、見た目的にも上品めな質感。
でもそれがカナダ製の特徴かと言われると......
さっぱりわかりません。
いや、だって、この一本しか見たことがないので。もうなんとも比較しようがない。
この細いシルエットや色落ちのしづらさは、カナダ製のではなく、この個体の特徴なのかもしれません(そもそもアメリカの501もその時々によって平気でシルエットやパターンや仕様が変わるので、一概にこうとは言い切れない)。
とはいえ、ここまで古着市場で注目されていない理由も不思議です。欧州のLevi'sで展開されているいわゆる「ユーロ Levi's」も、詳細まで研究が進んでいるとは言えませんがそれなりに愛好家はいますし、古着屋でも認知されているアイテムなので、ある程度の仕入れと販売はされています。
ところがこのカナダ製に関しては、認知すらされていないんじゃないかと思えます。インターネットにはGoogle(グーグル)という有名なサイトがあるのですが、そこで情報を得ようと調べてみても、まっっっっっったく出てこないんですもの。
もしかしたら、インターネットで発表はしていなくとも、カナダ製を集めて詳しく調べている人はどこかにいるのかもしれません。もしくは、古着屋さんなら詳しく知っているけど、モノがなかなか出てこないだけなのかもしれません。
90年代以降の新しいアイテムなので、これまでは重宝されずにスルーされてきただけという可能性も大アリだと思います。ヴィンテージって意外と価値基準が凝り固まっているので、年代が浅いものは注目度が低いですし、誰か影響力のある人が「これは良い」と言わなければ、たとえ古くても埋もれているなんていうことが平気でありますから。
いずれにせよ、これだけタマ数が少なくてレアなのに、市場価値がまったく付いていないモノもあるんだぜ。おれは見つけたぞ。これはおれのだもんね。いいだろ。というお話です。
というわけで、完全に “無の記事” でした。
SEO用の記事みたいな「調べてみました!」ということすらやっていない。
僕はこれを持っています。でもこれが何なのかはわかりません。
カッコイイからよく穿いています。以上。
ところがこの501、ひとつだけ大きな問題がありまして。
最近になって急に生地が縮み出したのか、どうもキツいんですよね。これまで散々洗濯を繰り返してきたのに、本当に不思議です。
素材がいきなり変容するようなことってあるのでしょうか? どなたか理由を知っていたら教えてください。