前回取り上げたものと一緒に買ったほうのチープカシオについて書きますよ。
チープカシオを代表するモデル「F-91W」のスケルトン・シリーズ「F-91WS」で、色はグレー。
グレーの品番は「F-91WS-8」となっています。
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※ホワイトもなかなか良いですね。
いやー、ケースが予想よりもはるかにチープです!
プラスチックの質感を隠そうとする意志が微塵も感じられません。ガチャガチャに入っていてもおかしくないくらいのチープ感。見た目も手触りもプラスチック以外の何物でもありません。
バンドは予想どおりな質感。滑りが悪くてキュッキュッとする感じ。時間が経ってくると経年劣化したりキズが付いたりして、だんだんくすんで透明度が低くなっていく様子が今からでも目に浮かびます。
着けてみると......
はい、完全におもちゃですね。
でも、それが良いなあと。
チープカシオが紹介されるときって、「○○円には見えないような高級感」みたいなことを書かれているのをよく目にしますし、そのポイントを最重視して紹介されることも多い気がしています。
でもそれって違うんじゃないかなーと。
チープカシオのみならずですが、世の中には安っぽいからこそ良いというモノもあるし、しかも「敢えて」ではなく、そんなおもちゃっぽさこそが魅力という価値観だってあるはずです。
このモデルに関してはまさにソレかと。
いっぱしのおじさんがこの時計を普段からメインで着けるのはさすがにどうかとは思いますが、この夏、無地Tを着てうんとラフな格好をしているときなんかにはバッチリとハマってくれました。
※ためらい傷みたいなのが見えますが、さっきまでこの時計が着いてたところの痕です。そういうのが取れづらくなるお年頃です。
バンドはこんな感じ。ちゃっちいですよ。どこからどう見ても。
僕は好きではありませんが、「高見え」とかいう言葉があるみたいですね。実際の値段よりも高く見えるみたいな。
それに引き替えこちらは、圧倒的な「安見え」ですよ。とても2,500円には見えません。僕には300円に見えます。
モノは高けりゃいいってものではありませんが、値段が高いからこそ良いというものだってあります。質が悪くてもブランドロゴが付いていたらそれだけで値段が高くなる場合もあります。高いものは自慢もできます。僕はそれらを否定するどころか、むしろ大肯定派です。ブランド大好きです。
でも、「実際の値段より高く見えるでしょ?」ってアピールは、僕は浅ましいなと感じますね。本当は高級品や自慢できるようなブランド物が欲しい気持ちを、ごまかしているような印象を受けます。
ちなみに「コスパ」というのも同様ですね。もともとファッション周りでコスパという言葉が使われ始めたのって、今とは逆で、高価なものを買うときの言い訳みたいな使われ方をしていた気がするんです。「10万円のグッドイヤーウェルトの靴は履くごとにアジが出るし、ソール交換が何度もできるし修理もできるから、安い靴を何足も買うよりもコスパが良い」という感じで(※ただしオールソールをするには余裕で安い靴一足が買えるくらいの費用がかかるので、本当はどう考えてもコスパ悪いんですけど。ただの嗜好品です)。
今の僕は、他の時計をすべて処分してチープカシオばかり着けていますが、「○○円に見えない」みたいな意味での魅力は一切感じていませんし、そんなアピールもしたくないと思っています。1,000円に見えるならそれでも構わないし、「あいつはいつも安い時計を着けている」とバカにされても気にしません。
これまでチープカシオを取り上げた際にほぼ毎回書いてきましたが、腕時計に求める要素の中から “ステータス” を取っ払った場合、機能性・デザイン・値段において、CASIO STANDARDシリーズに敵うものはこの世に無いと思っています。なので偏愛レベルで愛用しています。もはやコレじゃなきゃイヤなんです。
高く見せたかったら安物でごまかすのではなく、本当に高級なものを買うべき。
そんなの買えないよっていうのなら、それは身分不相応で必要の無いものだと思うんです。
背伸びして届く範囲なら、僕は無理してでも高いほうを買ったほうがいいと思います。でも借金になるなら買わない方がいいです。借金はほんとやめましょう。借金キケン。
てなわけで。
持っている中でも使い勝手がよくてどうしても使用頻度が高いモデルは確かにあるんですけど、今回はそういうタイプではなく、ちょうどいい遊びの一本が増えました。
新しいから気に入ってるだけかもしれませんけどね。
さてと。次に買うのは順番的にいったらメタルバンドのモデルだな......