おじさんになったら清潔感が一番大事とは言いますけどね。とは言え、使い込まれているほうがカッコイイ物ってのは絶対にあると思います。
レザー物なんかは特に、新しくてテカテカしてるものをオジンが着てたら貫録も何もあったもんじゃない。
スニーカーならばVANS。現行品は昔のUSA製に比べて品質が圧倒的に落ちたので、それに比例して靴全体の雰囲気もチープになったのは否めませんが、それでもVANSは色落ちしてヘタったくらいの佇まいのほうがスケシュー然とした存在感がある。
一方で、NIKEその他のハイテクスニーカー関しては経年劣化やダメージがまったく合わない。新品が良しとされるB系の文化にも近しいことや、“ハイテク”ということはすなわち最新であることに存在理由がありますので、古くなってしまったらモノとしての価値が落ちてしまいます。本来のスポーツでもダメージは機能劣化となりますし。
ジョーダンやエアフォース1、ダンクあたりのバッシュはアメカジ文脈でも人気ですから履き込まれたかっこよさも認知されていますが、それでもやっぱりキレイに履く人のほうが数的には多いのではないかと。
そんな中、NIKEで唯一、新品よりも使い込まれてるほうが絶対にカッコイイだろ! と思っているモデルがこちらです。
NIKEの超初期から展開され続けている名品で、NIKEを代表するローテク・スニーカーであります「CORTEZ(コルテッツ)」。
ナイロンではなくレザーのほうね。そして一番好きなのは、オリジナルのこのトリコロールカラー。
※いま展開されているのはスムースレザーではなくシボ革ですね。悪くはない。
ポテッと丸みを帯びた、かわいらしい形が特徴ですが、甲がつぶれて低くなったくらいのほうが味わいがあります。
ソールが変色して黄ばんでくるのもコイツに関しては良さになります。わざわざヴィンテージ風に黄色くエイジング加工されたモデルが出たこともありますし(でもそんなのは粋じゃないので、ノーマルな新品を買って自然と変色するのを待てばいいだけのハナシ)。
2008年に販売されたモデル。僕がコレを欲しいと思った00年代前半はこのカラーがしばらく流通していなかった時期で。「もし復刻されて、さらにアウトレットに落ちてきたら必ず買うぞ」と思い(笑)、狙いを定めてしっかり入手した覚えがあります。6,000円くらいでしたかね。
ちゃんと定期的に履いていればソールの加水分解も起きません。しかも固めのレザーが使われているから、雨の日にも履いています(ソールも濡れると意外に滑りづらい)。
個人的な着用感としては、コルテッツはヒールカップが低くて小さいため、踵の出っ張りが少ない僕の足にはどうもホールド感がイマイチで。実はあまり履きやすいとは思っていません。当然AIRもありませんからクッションもさほど良くはありません。でもそもそも履き心地を求めてわざわざローテクなんか履きませんので、ハイ。
なんでコルテッツは履き込まれたほうがカッコイイんですかね? ヒップホップ系で履いてる人もいますけど(特に白×白でシューレースにチャームが付いたやつとか)、どちらかというと白人に近いイメージがあるからでしょうか。フォレスト・ガンプしかり。もともとは日本生まれのモデルですしね。
そこからさらに、古びたものを良しとする日本人独特の感覚「わびさび」や「もののあはれ」、女性誌の言うところの「こなれ感」。アメリカにおいてはプレッピー(= バンカラ)気質にまで考えは及びますが……
でも、んなこといちいち考えてブログを書くのは面倒なので突き詰めません。カッコイイものはカッコイイ。見りゃわかんだろってレベルです。コルテッツは汚いほうが絶対にカッコイイの!!
しかも、汚いほうがカッコイイということは常に新しく買い換える必要がないということです。超コスパ良い! エコ! しかもお手入れもマメにしなくていいし(足が臭い人は放っておかず、ちゃんとなんとかしてください)。
正直、履きづらいので何度も処分対象になったことがあるんですが、見てるとどうしてもかっこよくて、しかも日増しにかっこよくなっていくのでなかなか売ったり捨てたりできないんです。さらに、雨が降ると重宝しますし。
たまに商品ラインナップから外れることはあるにせよ、NIKEでは珍しく常に買えるというのも有難いです。NIKEは定番アイテムをほとんど作らないので。他にはフォース1の白×白くらい?
まぁ、買い換えなくていいんですけどね。どんどん汚したいので。もっともっと汚くなってくれないかなあ。なのに履きづらいというジレンマがあるの、どうにかならんかなあ。