とってもおしゃれブログ

へそまがりな洋服好きの中年が全然おしゃれじゃない偏屈アイテムについて個人的な思い入れを語るブログです。

幸せの青いネル

2019年に書いた古着ネルシャツについての記事は、今でも当ブログで比較的よく読まれています。

かつての古着シーンで価値があるとされていたネルシャツは、USA製で厚手の生地で作られたヘビーネルシャツ(=ヘビネル)と呼ばれるもので、年代が浅いライトネルやプリントネルは、雑多で安価なアイテムとして扱われてたものです。

でもグランジのアイコンであるカート・コバーンが着ていたのはヴィンテージではないレギュラー古着のライトネルやプリントネルだったし、値段が安いことに意味のあるアイテムなので、むしろそっちのほうが好いんじゃないの? というのが上記記事での趣旨でした。

 

ところがその後、古着ブームの高まりに伴い、プリントネルはレギュラー品でも値段が上昇。80's~90'sあたりのネルシャツも全体的にそれなりの値段が付くようになってしまいました。

 

古着のネルシャツは個人的にも、10代の頃から(いろんな意味で)スタイルが変われども一度もワードローブから外れることなく愛用し続けているアイテムです。

かつてはビチビチにタイトなファッションが主流でしたから、S程度のサイズのものを探すのがそりゃあ大変だったわけですけども、シルエットが大きめに変わった今は昔から比べるとかなり見つけやすくなりましたね。

 

そんな中、十数年に渡って探し求めているのになかなか手に入れられなかったものがあります。

 

それがブルーチェックのネルシャツ

 

90年代~00年代頃は、アメカジ界ではどちらかというと赤チェックのほうが人気で、自分の好みもそうでした。でもあるとき、雑誌『BRUTUS』に、元NUMBER (N)INEのデザイナー宮下氏が普段愛用している古着ネルシャツの写真が掲載されていたんです。

それがこちら↓

※画像引用元のBRUTUSのページはすでに削除

 

この写真に、雷に打たれたような衝撃を受けましてね。これを見てから僕もネルシャツは青にしようと思い、古着屋で探し始めるようになりました。

 

ところが。全然無いんですよ。

こんなありふれた柄の服、いくらでもありそうじゃないですか。でも、柄・サイズ感・状態・ブランド・値段......。これらの条件をすべて満たす青いネルシャツとなると、まっっっったく見つからない。

 

ベストな柄は青ベースで赤がチラっと入っているもの。高くなるのでオンブレじゃなくてもいい。

ブランドは、アメリカ製じゃなくてもいいけど、あまりにも知らなすぎるとこじゃなく、ちょっと嬉しいやつで。

ある意味、値段が一番ネックだったかもしれない。最初に書いたとおり、自分の感覚ではレギュラーの古着ネルシャツなんて1,900円くらいで買いたい。もしかしたら4,000円出してたら見つけられてたかもしれませんが、その値段じゃわざわざ古着でネルシャツなんて買う必要なんてないワケ。もっと他のものを買います。

なんとなく近いものを買えたことはあるけど、「コレだ!」と思うものは、本当に10年以上見つけられませんでした。

 

そうこうしているうちに古着ブームが本格化し、円安と値上げの世の中で相場も上がり、もう1,900円という予算は諦めはじめた頃。マイ・フェイヴァリット・ブランドであるL.L.Beanのキャンペーン記事を何気なく眺めているときに、ふと見つけてしまったんです。

popeyemagazine.jp

 

 

これじゃん......。

 

hb.afl.rakuten.co.jp

 

普段から習慣のようにチェックしている一番好きなブランドに、10年以上も探し求めていた理想の柄があったとは。古着に固執してすぎていたせいで、こんな身近に存在していたことにまったく気付けていなかったのです。

 

L.L.Beanなら、自分で着込んで古着にすればいい。......値段は予算の4倍になるけどね。

ジャパンフィットのXXLと、USサイズの Lで迷った末、まずはUSのLサイズで。

 

このほんのり入った赤いラインがポイント。Morganというタータンチェックなんですって。

なんでもかんでも固執していると、身の回りにありふれていることでも見えづらくなるもんですね。中古に無いなら新品で買えばいいじゃない。

 

新品ですから、古着特有のガサガサ感はない。これから着まくって、洗濯をして。サイズを変えたくないから乾燥機はあんまりかけたくないけど、自分で古着にしていこうと思います。

 

これ以外に、古着で見つけられた理想に近いものもちょっとだけあります。

90年代頃のTOWNCRAFT。

 

こういうなんの変哲もない古着の良さを他の人にアピールすることができるだろうか?という妙なチャレンジ精神が芽生えてメルカリで売ろうとしていましたが、「別にそんなことする必要ないだろ......」と思い直して、今は保留中です。

 

もう一着。

こちらは90年代~2000年代頃の、ST. JOHN'S BAYのもの。

青の割合が少ないですね。ちょっとパジャマっぽいし。でも合わせやすいし気も使わないので、部屋着やガチ普段着としてよく着ています。

 

十何年も探し続けて、合間にしっくりこなかったものも挟みつつ、いまラインナップしてるのはたったの3着。

このなんてことなく、珍しくもなく特色もないのに何故か見つけることができない “青系チェックのネルシャツ”。宮下氏のコレクションを目標に、これからもチマチマと探していきたいなと思ってます。

 

古着なら、予算はこれまでと変わらず、1,900円でね。

 

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