ラグビーの世界選手権みたいなやつを日本でやってるんですって? そのうえ、日本代表チームが急に強くなってるんですって?
へぇ。そりゃよござんしたね。
五郎丸はまだあのカンチョーみたいなポーズやってんのかね?
あたくしはまったくもって興味が持てず一試合も観ていないのですが、ラグビーと言えば気になるのは当然のごとくラガーシャツです。
僕はラガーシャツが昔から大好きで、高校生の頃すでに古着で買って着ていましたから、もうかれこれ20年以上は愛用し続けていることになります。
こちらはLANDS' ENDの古着。嬉しいMADE IN U.S.A.。
長すぎる袖リブと脇下のガゼットが特徴的。
普段、ラグビーシャツを特別好きだと意識してきたわけでもないのですが、何故か常にワードローブの中に存在しています。本当に持っていなかった時期が無い。これは自分でも意外な発見。
念のため言っておくと、もちろん競技用の最新モデルなんかではなく、ボディと別色の襟が付いているポロシャツ型のアレですね。ラグビー発祥のトラディショナル・アイテムです。
※あとで気づきましたが、RUGBYではなく「BUGBY」になってますよ、ジャラーナさん。
ラガーシャツの楽しみとしては、
- 柄の豊富さ
- 名門ブランドでずっと定番品としてラインナップしている(BARBARIANやCANTERBURYなど専門ブランドはもちろん、POLO、Brooks Brothers、TOMMY HILFIGER、LACOSTE、L.L.Bean、LANDS' ENDなどなど、大手トラディショナル系ブランドでは大体作られ続けている)
- 生産国がUSA、カナダ、ニュージーランドなど本国モノが多い
- 古着で見つかりやすく、値段も安い
- 各アイテムごとのディテールの違い
などがあるのですが、僕がラガーシャツが好きな一番の理由はコレです。
とにかく流行らない。
昔からある定番アイテムで、新品でも古着でもいつでも入手可能なのに、何故か流行らない。というか流行の順番がなかなか回ってこない。
デザインが豊富なのでいわゆる着こなしの楽しみも味わえるし、数も多いのでモノとしての研究やコレクションのし甲斐もあり、すごく魅力的だと個人的には思っているのですが、
とにかく流行らない。
なんででしょうね?
たぶん、ラグビーがダサいからだと思うんですよ。マッチョイズムの極みみたいなスポーツですから女子ウケは意外と良かったりするのですが、それ故にカルチャーとの親和性が極端に低い。
要するにオシャレ(=カルチャーバカ)との相性は極めて悪いわけです。この前も卑劣なタックルで相手にケガを負わせた事件もありましたしね(※それアメフトだったわ)。そういう、体育会系の極北みたいなスポーツじゃないですか、ラグビーって。
甲子園のバックネット裏に、ラガーシャツ姿で毎試合同じ席に居座って問題となった結果、消されてしまった「ラガーさん」もいましたね……。
そんな背景もあり、ラガーシャツには「体育会系」「爽やか好青年」「マッチョ」というオシャレーとは程遠いイメージが付きまとっている気がするのであります。真っ黒に日焼けした、いかにもなガハハ系が着てそうじゃないですか。
そんな風にオシャレーのイメージは皆無だからこそ、僕にとっては逆に魅力的に映るアイテムとなっています。
※補足
性格がひねくれすぎて、なんだか説明が難しくなってきました。僕は体育会系ではなく明らかに文系寄りの人間なのですが、そんな文系が忌避しがちなアイテムだからこそ敢えて選ぶ……という、逆の逆の逆みたいなおかしな発想です。
Begin系の間でバーバリアンが人気となったり、ヒップホップ勢が着用していたり、90'sやスポーツ物リバイバルの流れでショップが打ち出したりと、これまでも流行りかけた(というか、ショップや業界が流行らせようと提案した)ことは何度かあったのですが、結果としてドカンと爆発的に売れて、人とカブるような状況にまでなった試しは一度もないと思います。
かっこいいラガーシャツをオシャレーに着るチャンスさん。
しかもこれまで日本では、発祥となったラグビー自体の人気が特別高いわけでもありませんでしたし。
ところがここにきて、この空前のラグビーブームですよ。新規ファンも増えているようで、これまでのイメージがガラっと変わりそうな流れになっています。
かつてはJリーグのブームでゲームシャツがファッション的に人気になったこともありましたし、この状況でラガーシャツが流行らなかったら、もうこの先、ラガーシャツが流行ることはないんじゃないか? と個人的には思っているところです。
流行ってほしいのかどうか、自分ではわかりません。流行っちゃったらヒネクレではなくなるし、古着で安く見つけることもできなくなります。でも着ていてダサいと思われる恐れは少なくなりますから、その点に関しては良いのではないかと。……僕は果たして何を言っているのでしょうか。
さて、そんなダサいダサいラガーシャツですが、これは絶対にカッコイイだろうと思っている、大好きな着方があるのです。
ラルフ・ローレンが昔から提案する、シャツとの重ね着です。
あたしゃこれが大好きでしてね。ラガーシャツのインナーには、ほぼ100%でボタンダウンのオックスフォード・シャツを着るようにしています。
体育会系の王道に、スクール&フォーマルの要素を組み合わせる。これぞプレッピーの極みですよ。体育会系の武骨さや青臭さが和らぎますしね。
古着は特にですが、作りの大きいものが多く、単体で着るとブカっとしてB系っぽすぎるので、インナーにシャツを着ることによってそれがちょうどいいサイズになるというメリットもあります。
肉厚でふんわりな生地が心地よい一着。Mですが普通にXLくらいあります。本来は中にプロテクターとかを付けるので、もともと大きくできてるものなんです。競技用じゃなくてもそのサイズ感は踏襲されています。
これまた嬉しいUSA製。
というわけで、めちゃくちゃオーセンティックなアイテムであるにもかかわらず、なかなか真っ当にオシャレーのイメージにはならないラガーシャツ。このラグビーブームを機に、若い子やファッショニスタに見つかっても良い気がするのですが、流行ってほしいのか、流行らないからこそ良いのか……。
ま、流行っても流行らなくても僕は着ます。でも飽きたら着ません。それだけです。