とってもおしゃれブログ

へそまがりな洋服好きの中年が、全然おしゃれじゃない偏屈アイテムについて個人的な思い入れを語るブログです。

私にはスタートだったの ブログ的にはゴールでも

僕は政治経済みたいな難しいことには詳しくなく、小学校で習ったことや、気になる書籍を少し読んだことがある程度のオツムしかありません。

世の中で起きている事柄に対して何かしら思うくらいは、社会人なのでそれなりにはありますが、思想のポジションは一切安定しない。たとえば経済的な面では昔から資本主義に懐疑的で、極左に近いところがある一方、領土領海の問題や歴史認識の一部では極右的な考えもある(靖国の近くに寄ったら参拝するし)。環境問題に関してはかなりリベラル寄りだけど、リベラルな人らは気持ち悪くてどうも苦手だし(グ◯タさんとか)。

事案ごとに思うことが全然違うので、支持政党もない。政治なんてのは権力争いと金儲けをしているだけなので、そもそも民衆のためのものではない。そしてもちろん無宗教です。

 

そんな僕が、買ってから丸々2年間、いわゆる “積読(ツンドク)” しといた大ベストセラーがこちら。

 

斎藤幸平 『人新世の「資本論」』

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『頭がよくなる本を、買ったよ!』

『早く読めよ(ペシッ)』

 

 

はい、読みました。

 

ああ。おれ、こリだ。

まともな学も無いが故に、これまではお花畑のアタマで漠然と「こんな社会なら好いのになァ」と鼻水垂らして思っていたことが、しっかり論理付けされて輪郭を持ったような感覚。あまりにも合致してしまった。

 

マルクスの思想をベースにした、「コモン」と「脱成長コミュニティ」という重要なキーワード。

まさに我が意を得たり。大変な感銘を受けることになりました。

 

そしてこれを読んで、資本主義が大嫌いながら、これまで疑うこともなく加担していた自分のチョロさを、甚く恥じることになりました。

僕は自分のクローゼットを “自分専用のセレクトショップ” にすべく、サイズ違いや色違い、ストックまで含めてモノを揃えてきましたが、それは完全に見直さなければイケナイ。

僕はもう、充分すぎるほど持っている。

 

実はこれまでも、方針を変えていきたいと思うことは度々あったんです。量より質のワードローブへ変換していくべきではないかと。ところが、質の良いものよりも大衆向けの量産品こそが好きなうえに、「モノを買うことの快感」に、なかなか抗えずにいました。まさに資本主義の豚です。

https://ameblo.jp/uprper/entry-12049165480.html

 

「いつかそのうち切り替えていこう……」という状態がずっと続いてきましたが、その「いつか」が、今回この本を読んで、ついに訪れました。

 

もう僕はこれから、欲しい服を自ら積極的に見つけ出して買い集めるようなことはやめにします。そもそも、あくまで “服装” に関して云えば、必要なものはもうほぼ揃っているのです。ただ単純に、数をたくさんと、ヴァリエーションを増やしたかっただけ。

 

「本当にできんのかよ?笑」と自分でも思いますが、こういった思想や理念……なんて云ったら大袈裟ですが、いわゆるポリシーやモットーが背景にあると、僕は意外とノリやすいタイプ。平日の飲酒も、中毒だったTwitterも、どっちもやめると決めたらすぐやめられているし。

大体、これまでの『本国企画のインポートアイテムをメインに、ファッションフリーク向けではない大衆用の量販品に限定してモノ集めをする』というマイルールだって、ファッション目的というよりも、ポリシーが前提にあっての遊びみたいなものです。

その自己ポリシーが改訂されるタイミングが、ついに訪れたと感じています。

 

…………今のところは。

まだ100%の自信は全然ないケド……。

 

なので取り敢えず、この本を読む前からリストアップしてしまっている “必要な物” と “欲しい物” はお目こぼしとして、それらを買い終わったら、それで僕のワードローブはひとまず完成とします。

それらの他にはもう、自分から率先して “ただ欲しいだけの服” を見つけるようなことはしない。これは今後の自分の心がけ次第。

 

その決意を胸に、リストアップしている中から、現状では最後となる “ただ欲しいだけの服” を買いました。

 

前回の記事に載せた SALOMON のシェルジャケットを買う際に、比較検討していた一着。

その時点でブラックはすでに完売。カラバリのこのイエローもとても気に入ったのですが、「一着目に黄色はさすがにすぐ飽きがくるだろうから、やめたほうがいい」と、最終的な候補からは外していました。

しかし、神保町さかいやの楽天ショップにて、廃番品のためセールで50%OFFに。今しか買えない(=これも資本主義に踊らされた動機だけど)。

hb.afl.rakuten.co.jp

 

透湿性も高く、目立つカラーですから、夏の雨の日にも着られるでしょう。おしゃれのためだけではなく、ちゃんと “使用価値” はある……はず……。

さぁ、これを最後に、今後はいいわけ無用。不要なものを買ったらもう負けです。これを眺めては、「もう無駄に買わないぞ」と自分に言い聞かせていきます。

※クローゼットの奥に潜むは、所有する上着類の一部

 

さてと。

70年代の「ヘヴィ・デューティ」ブーム以降、アウトドアウェアは定期的に大波小波の流行を繰り返しながら、街着として完全に定着しています。

karrimor(カリマー)は、90年代末〜00年初頭のブーム時において、代表的な人気メーカーのひとつでした。看板商品であるバッグパックはもちろん、ブランドカラーであるブルーエメラルドのシェルはBEAMS等で取り扱われていて、当時は憧れだったもんです。

しかしその後、ライセンスによる日本企画でカジュアルファッション向けのアイテムが大規模に展開され、チープな量販店にも大量に商品が並ぶこととなり、ブランドイメージは地に落ちたという印象でした。

ところが、イギリス本国でも低価格化と低品質化が進んでしまっていたそうで、2019年以降は、往年のカリマーの理念と設計・クオリティを最もよく受け継いでいる日本支社がブランドの拠点となって、全世界に向けた展開がされているとのこと。

www.roomie.jp

 

相変わらずライフスタイル向けの商品こそ多いものの、(資本主義の真髄とも云えるであろう)ブランディングの成果なのか、少し前のチープなイメージはだいぶ払拭された印象。実質的にほぼ日本のブランドとなっているのは残念なところですが、その結果、今ではアウトドア・ブランドとしての矜持をしっかりと取り戻していて、僕も再度フラットに受け容れられるようになっていました。 

あと、アウトドアウェアに関してだけは、ゴールドウインのTHE NORTH FACEしかり、日本の手が入ったほうが品質もデザインも着用感もよくなる傾向はたしかにあると以前から思っていて、個人的には他のアパレルの分野よりも日本企画に対して寛容だったというのもあります。まァ決して嬉しくはないんですけどね……。

でも、日本の代理店がブランド名を好き勝手に使ってどうしようもないアイテムを作るよりは、このカリマーの「日本、あとのことは任せたぞ!」というスタンスのほうが、だいぶ気持ちがいい気がします、ハイ。

 

とはいえ、売れるとなったら見境なしに商品を作って売りまくる資本主義は、やっぱり悪ですよ。

 

 

 

てなわけで。

これだけ決意をしときながら、のちのち何も無かったかのようにしれっと不要なものを買ってしまったら、自分自身に対して嘘つきになる。

もちろん読んでる皆さんにとっては、(ぜひ一緒に資本主義に抵抗はしてもらいたいけども)そんなことはどぅ〜でもいい話かとは思いますが。

なのであくまで “自分への戒め” として、すでに欲しいと思ってしまっている物だけは免罪符として事前にリストアップしつつ、それ以外は絶対に欲しくならないように・買わないようにしたいと思っています。

 

 

そしてマイルール策定。

さすがに「何も買ってはいけない」というのも息が詰まってしまうので、例外というか、余白程度は残しておきます。

持っているものがダメになったら、さすがに買い直してもいい。

そうやって今後なにかが必要になったり、どうしても欲しいものが出たりした場合は、できるだけ小規模な企業によるもの、もしくは、日本国内のメーカー/ブランドから優先して選んでいくようにする。

しかしながら、ユニクロ。ベースとなるスタイルやアイテム自体は長年に渡り変わっておらず、簡単に「ファストファッション」とは呼べないと考えています。近年は素材や労働環境の改善にも取り組んでいるし、もはや日本のインフラ(ある意味でコモン的な)と云えるくらいなので、その評価は保留とする。さすがに超巨大企業すぎるんだけども……。

他に、日本のものづくりを大事にしている無印良品も同様に排除はしきれない。というかむしろ好印象だし。

古着に関しては、そもそもエコだし、メルカリで売ることで購入費をペイできていて、もはや古の物々交換のような状態で遊べているので、それはこれまで通りとする(その代わり絶対に購入過多にはしない!)。

そしてスニーカーだけは、新しいものをチェックするのも、実際に買うのも、ちょっとだけ大目に見させてもらいたい。これは子供の頃からの性分で、もはや生活の一部みたいなものなんで……。

あとは服を買わなくなるぶん、たまにショッピングをしたくなったら、まだまだ揃えていない日用品や民藝、伝統工芸品をメインに愉しむ。もちろん、大企業による大量生産品ではないやつが理想。

 

実は著者の斎藤幸平氏も世代的にやはりファッション好きで、それに対して自己矛盾を感じてはいる様子(笑)。

bunshun.jp

posfie.com

www.tjapan.jp

> 斎藤は笑った。「僕なんかは、所詮、ブルジョワですよ」

畑やりながらアークテリクスも着てる。

 

仕方ない。にんげんだもの。生まれも金持ちなんだし。現実的にお金でモノを買わざるを得ない世の中なので、自分でぜんぶ作るわけにもいかないですし。

(※あと書籍をちゃんと読むと、マルジェラが好きな理由は結構理解できるところはある。もともとは反骨精神にあふれたブランドだし、職人こそを大事にしないといけないので。それを理解できない、ファッションが好きなだけのバカが多すぎるんよ、ほんと……)

安すぎるものも高すぎるものも、どちらも資本主義の搾取によって成り立ってるんですよ。大切なのは、何をどう選ぶかを “考えること”。

 

なので基本は、「欲しがりません。いま持ってるものがダメになるまでは」。

まずは第一にコレ。ここから始めます。

 

しかしそうなると、今後このブログのネタはどうすればいいのか……? これは悩みました。3分くらい。

それならば、同じアイテムのことを何度も書けばいいんですよ。渋谷陽一だって、ツェッペリンのことばかりずっと書いてたじゃないか。

 

これから、僕の「買わないゲーム」が始まります。

 

そして次の記事では、本を読む前からすでにリストアップしてしまっている今後買いたいものを載せようかと思います。あくまで自分用のメモとして。ならびに、無駄な購入はしないよう、「これ以外は買うな!」と自分を律するために。

数はそんなに多くはないですけどね。がんばります。

 

それでは、ごきげんよう

 

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