VANSって偉いんですよ。
CONVERSEは偉くないの? はい、あまり偉くありません。
PRO-Kedsは偉くないの? はい、偉くありません。
Top-Siderは偉くないの? だから偉くないっての!
でもVANSは偉いんです。
ちなみにその「偉い・偉くない」というのは、いま僕がこれを書きながら決めた基準です。
じゃあその偉いって何のことかと言いますと、それは「定番モデルの数」です。
↑僕の下駄箱
以下、キャンバス系のローテクスニーカーを作っているメーカーに限定して話しますが、コンバースって結局はオールスター(チャック・テイラー)とジャック・パーセルだけじゃないですか。スキッド・グリップは流行ってないしワンスターなんて忘れ去られてて人気があるのは日本だけだし。
プロケッズはロイヤル・アメリカとロイヤル・プラスがあるけど、ブランドが弱すぎて流通と供給が安定しないし。
トップサイダーはデッキしかないし、SUPERGA も Spring Court もアレしかない。
出自がそれぞれ違うとは言え、バルカナイズのローテク系で一番数多くの定番モデルを抱えているのはVANSだと思うんです。
●AUTHENTIC(オーセンティック)
通称「オーセン」
●ERA(エラ)
オーセンの履き口にクッションが入ったやつ。
●SK8-HI(スケート・ハイ)
通称「スケハイ」
●HALF CAB(ハーフキャブ)
●SLIP ON(スリッポン)
「スリップ・オン」じゃなくて「ポン」なのが良いですね。
●OLD SKOOL / JAZZ(オールドスクール / ジャズ)
別名の「ジャズ」がまた最高ですよね。履いてる人はパンクスですけど。
なお、上記で挙げたのはすべてUS(アメリカ)企画です。VANSはアメリカ本国で企画販売されたモデル(通称“インター”)と、日本の代理店である ABC-MART がライセンスで企画販売している日本企画が存在しています。僕はインポート原理主義者なので、アメリカ企画のものしか履きません。
でも ABC の何が偉いって、利益率の高い自社企画だけではなく、店舗数は限られるものの、こうやってUS本国のアイテムも扱い続けているのが立派だと思ってます。マニア以外にはパッと見じゃまったく区別がつきませんけどね。
もともとは上野アメ横が発祥の舶来品屋さんですから、今でもその矜持を感じるところはいろいろあるんです。もちろん「ふざけんなよ!」って展開もたくさんありますが。特に自社ブランドにおけるデザインのパクり、あれはイケナイ。
ちなみにUS企画と日本企画の違いについては、下記のブログがわかりやすくて詳しいです。
品番の「V●●」が日本企画で、「VN●●●●●●」がUS企画。これが一番わかりやすいですかね。
実はいろいろわかるようになってくると、品番を見ずとも形だけで判別ができるようになります。
んで。VANSに関して、ファッション好きの人が言いがちなことがあります。
「スケートをやらないのにVANSを履くのは憚られる」
「ストリート系のブランドなので子供っぽい」
ほほ~! やっぱりVANSは立派ですなあ!!
バスケもしないくせにオールスターやジョーダンやフォース1を履き、テニスもしないくせにスタン・スミスを履きラコステを着て、軍人でもないくせにMA-1を着てカーゴ・パンツを穿き、炭鉱夫でもないくせにジーパンを穿いておきながら、スケートをしていないからVANSが履けないとおっしゃいます!?
いやはや、ストリートとはそんなにも手が出ない高貴なポジションでしたか!
......みたいなね。これは SUPREME や Stussy あたりも同じ傾向がありますね。
そんな風に、VANSが未だにスケシューのイメージが強いのは何故だろう? とTwitterで語っていた際、どなたかから頂いたリプだったと思いますが、ひとつの正解を得ることができました。アホみたいに単純なんですけど、
今も現役で使われているから。
いやーーーーー! まさにそうですね! それに尽きると思います。現役のバスケット選手はオールスターやフォース1を履いていませんが、VANSのオールドスクールは今でもスケーターが愛用していますもんね!
でもそこで僕は思いました。やっぱりVANSは偉いと。
これほどのポピュラリティを得てもブランド価値を落とさず、テクノロジーが進化しているにもかかわらず、今もクラシック・モデルが専門分野で使用され続けるほどのクオリティを保ち続け(アメリカ製じゃなくなって明らかに品質はガタ落ちしたけどな!)、現在も変わらず起源であるストリート・カルチャーとしっかり結びついていることの証左だなと感じました。
僕はパンクやUSインディ・ロックを通っているものですから、スケボーはやらずともVANSにはカルチャー的な親和性がありましたので、そういった先入観を取り払うのは意外と簡単でした。
そうなんです。もともとは僕もその先入観にとらわれて、VANSを好んではいなかったクチなんです。何足か持ってはいたけどメインではなかった。でもコンバースもプロケッズも亡き今(まだブランドがあるって? その説明はまた今度。もしくはググってください)、まだ拠点がアメリカに残っていて、どこでも買えるローテクスニーカー・ブランドはVANSだけになってしまったんですもの。
そしてVANSは子供っぽいと言われますが、それはあんたが子供なだけですよと。服に着られて、靴に履かれている証拠。本当に大人になったら何を着ても大人に見える。
ちなみに僕は38歳のとき、スーパーで4Lの甲類焼酎を買ったら、レジで「免許証見せろ」と言われたことがあります。
テヘ! いくつになっても甘えん坊! 子供だからVANS似合うんだもんね! わーい!!