とってもおしゃれブログ

へそまがりな洋服好きの中年が全然おしゃれじゃない偏屈アイテムについて個人的な思い入れを語るブログです。

呼び名は「Lee Lee Bean」と「L.L.Lee」のどっちがいいですかね

僕は根っからのL.L.Beanファンでして、ジーンズも古着でちょこちょこと買い集めています。

 

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鬼ヒゲも!

 

これらを集める過程で、L.L.Beanには、LeeがOEM生産していたモデルがあるということを知りました。

それはどうやら、バックポケットのステッチとリベットのデザイン以外、Leeの「200」というモデルとほとんど同じらしい。

 

世の中には知ってる人がいるらしく、メルカリにたまに出てきても高値が付けられていて、しばらく買えずにいたんですけど、最近ようやく安価で見つけることができました。

それがこちら↓

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こちらは80~90年代頃の Lee “200”(USA製)。

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二つを比べるとこんな感じ。たしかに同じ。

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ところがコレが手元に届き、品質表示の内タグをチェックしているとき、あることに気づいたんです。

 

「あれ......? これ、すでに持ってる他のL.L.Beanの内タグも同じじゃね……?」と。

 

こちらは、今回買ったLeeが作ったことが明らかなL.L.Bean

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こちらは、すでに持っていたL.L.Bean

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タグのフォントが同じ。

 

裏側には「ユニオンチケット」が付いています。ここもUSA製時代のLeeと同様。

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そして、品番にあたるところには「700」という番号が記載されています。Leeは200なのに対し、L.L.Beanは700で管理されていたのでしょう。ですがL.L.Beanでの商品名は別にネーミングされていますので、その品番は表には出てきていません。

 

 

どうやら、ある特定のモデルだけではなく、USA製時代のL.L.Beanジーンズやその他5ポケットパンツのほとんどは、Leeが生産してた らしいです。

コーデュロイやその他素材の5ポケットパンツにも、このタグが付いていることを確認済みです。

 

 

あらためてLeeを見てみたところ、やはりタグのフォントが同じ。

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印刷内容の詳細を見てみると、アメリカでのメーカー番号を表す「RN」はたしかにL.L.Beanを示す “71341” です。

しかし同じく、カナダでのメーカー番号である「CA」を確認すると、L.L.BeanのほうもLeeのほうも、どちらも “00492” となっています。これは間違いなくカナダでLeeに付与された番号でした

 

rn.ftc.gov

www.ic.gc.ca

 

 

僕は普段Levi'sばかり穿いているので、Leeには全然詳しくなく、タグのフォントが同じだったなんてことに長い間まったく気づいていませんでした。迂闊にも程がある。

 

おそらく、70年代~80年代の初頭に “Leeの200そっくりそのまんまなモデル” がL.L.Bean最初のジーパンとしてリリースされ、その後L.L.Bean独自の形になった後も、生産は引き続きLeeが担当していたのでは……? と推測されます。

42TALONジッパーが付いた個体は確認できており、これがL.L.Bean最古のジーンズなのかな?

 

vintage-mushroom.net

 

▼2022/4/10現在、メルカリに出品されているL.L.Bean × Lee 200

https://jp.mercari.com/item/m78824895427

▼過去にメルカリで取引された未使用品のL.L.Bean × Lee 200

https://jp.mercari.com/item/m37910892654

 

 

ジーンズ以外だと、L.L.BeanやLANDS' END等のダウンJKTやマウンパは「Woolrich」が生産していたことは、最近でこそよく知られています。

 

一方、この「L.L.Beanジーンズ全般をLeeが作っていた」という事実は、いま現在も古着屋さんで知ってる人はほとんどいないんじゃないかな? ググってもそれに触れているサイトほんの少ししか出てきませんし。


そもそも、注目してる人がほとんどいないアイテムだし……。

 

Levi'sの501はレギュラーの研究もそれなりにされていて、こまかい情報を載せている個人ブログも多数ありますが、LeeとWranglerの近年物に目を向けると、まだ研究らしい研究はされていないような気がします。ディテールはおろかモデル名すら一般的とは言えませんからね。

 

だって、「Leeのデニム生地は左綾だ」なんてまるで常識であるのように言われてますけど、80年代以降のLeeは右綾になってますからね。今でもずっと左綾のままだと思い込んでる人もいるんじゃないですか?

 

▼Lee 200

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▼Levi's 501(現行)

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さて、L.L.Beanジーンズに話を戻しまして。

 

実は内タグのデザイン、すべてがすべて同じというわけでもないんです。持っている中でも、これはLeeの内タグとデザインが違っています。

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残念ながら印刷が薄れてしまい、CAの表記もなく、詳細を確認することができません。

もしかしたらこれはLeeが生産したものではないかもしれない。もうわかりません。もっと調べる必要がありますね……。

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★追記(2022/6/11)★

その後、Leeでも同仕様の内タグのものを入手して確認できましたので、上記のL.L.BeanもLee製で間違いないと思われます。

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さらに、米国生産が終了すると次はメキシコ製になるのですが、メキシコ製もLeeの工場で生産されていたのかどうか気になるところ。タグからは判断できませんでしたので、今後の宿題です。

 

 

そして実は、当ブログではこのL.L.Beanジーンズについて一度記事を書いているんです。

 

ここで僕は、『デニムの質感と色合い・色落ち具合が、レギュラー501の雰囲気にそっくり』なんて書いちゃってるんです……。

恥ずかしい……。まさか実際はLeeだったなんて……。

不勉強にも程がありますね。日々精進です。

 

 

奥深きレギュラー古着の世界。調べ尽くされたヴィンテージなんかよりずっと面白いですよ。

 

L.L.Beanジーパン、みんなも買ってみて、ぜひ情報提供ください(本当は僕だけの趣味にしたいのであんまりオススメしたくはないけども……!)。

 

 

それでは。