20代の頃に神保町のミマツ靴店で購入したDanner Light(ダナー・ライト)。
しかしいつの間にかそういうハードでラギッドなアメリカン・スタイルとは疎遠になり、しかも重いわ紐が面倒だわで、大枚をはたいたくせに雨靴としてしか出番がなくなっていました。
その頻度も年に2~3度あるかないか。ファッション的にも機能的にもその魅力を活かせていないため、泣く泣くメルカリで売却。
https://jp.mercari.com/item/m21504184338
しかしこれを売ったら、今度は雨靴のレパートリーが減ってしまう。
他にも20年愛用しているL.L.BeanのビーンブーツやDr.Martensも持っているのですが、それらはトレッキングなどの野外活動にはあまり向いていない(完全にインドア派なのでそんな機会も滅多にありませんが、生きていれば稀にあります)。
実はダナーライトを売ったとき、すでにその代替品の見当はついていました。
それがHI-TEC。
もともとはイギリス生まれのブランドですが、日本でライセンス展開しているのは天下のムーンスター。販売されているアイテムのほとんどは、欧米とは違う、ムーンスターが独自に企画販売している商品です。
▼UKサイト
僕、大学生の頃にもHI-TECを履いていたことがあるんです。
これ。
当時流行っていたウォーターシューズのようなメッシュ主体の作りで、丈はミッドカット。これはアメリカン・ラグ・シーで購入しました。そのときから人とはちょっと違うひねくれた靴が好きだったんです。
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今から24年前。代官山で買い物をしていたら雑誌「Lightning」にスナップを撮られまして。
当時は今のような服の知識もなく、生産国なども一切気にしていませんでした。キャプションで「レッドウイング」と書かれているのは、アンケートでバッグを買った店を「渋谷のレッドウッド・メインヤード」と答えたら、編集で間違えられたものです。
なお、レザーJKTは高校時代に買った古着のレディースで、スウェットも同じく15~6歳のときに生まれて初めて買った古着スウェットでRUSSELLのもの。パンツはOKURAの黒スリムジーンズ(当時はスキニーなんて言葉はありません)。
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普段はファッションアイテムを選ぶ際の基本的なマイルールとして「海外ブランドの本国仕様のモノ」に限定して集めているのですが、遊びの話ですから厳密ではなく、例外も数多くあります。
HI-TECに関しては、もともとブランドとして好きだったうえに、商品ラインナップを見てみると全体的にデザインも悪くなく、さらにムーンスターが作っているということで品質にも信頼がある。
何より安い。ものすごく安い。
主に大衆向けの量販店で取り扱われていて、本格派やファッションに向けた価格帯ではない。でも今回はあくまで悪天候のときと、どれくらい機会があるかわからない野外活動が目的なので、わざわざ高いお金を出してMERRELLやSALOMONを買う必要もない。日本企画であることを気にしなければ、もうHI-TECで充分じゃないかと思い至った次第。
amazonや楽天でレビューを見てみると、とにかく評価が高い。年齢層は高めだけど、足に合わなかった人以外は総じて高ポイント。モデルによっては実際に登山やトレッキングに使用している人のレビューも見受けられ、機能も耐久性も「問題ナシ」との評価が目立つ。
それだけ品質的に及第点をつけられているアイテムのほとんどが1万円以下で買えるって、ちょっとすごくないですか。
そんな中、今はオフィシャルサイトからは外れてしまっていて廃番の可能性があるけど、評価が高くて大幅に割引されているモデルを発見し、勢いで購入。
LOCHNESS WP/ロックネス WP(NAVY)
なんと、買った当時の最安値3,990円(送料込)
シルエットはちょっとずんぐり。でもそのぶん、日本人向けな「3E」という超幅広&甲高なラストでかなりゆとりがあり、サイズ感は相当大きめ。事前にそういったレビューを見て、ちょっと小さめの26.0cmを購入して大正解。捨て寸も充分で、甲が高く一切圧迫してこない。インソールの追加も余裕。厚手の靴下とムレの軽減を想定するとバッチリだったと思います。
▼普段のサイズ
ダナーライト:25.0cm(or 25.5cm)
NB 990:26.0cm
NBその他モデル:26.5cm
VANS オーセンティック:27.0cm
重要だったのは色。僕のベーシックカラーであるネイビー。アウトドアでは黒や茶系が多くなるので、これは意外と少ない。
ソールはホワイト。藤原ヒロシは90年代に白ソールしか履かないと主張していた時代があり(今はそうじゃないようです)、僕もすごく共感して真似っこしています。ソールが黒いと重心が低くなりすぎてちょっと重いんですよね。
そしてとにかく軽い。本体素材が合皮なので当然ですが、この軽さこそがHI-TEC社(オリジナル)の最大の売りで、トレッキングシューズに「軽量」という概念を初めて持ち込んだのが有名な『Sierra』というモデルとのこと。
もしかしたら靴に詳しい人にとっては、HI-TECは安っぽくてダサいブランドというイメージかもしれません……というか、実際にそうだと思います。
でもその色眼鏡をはずしてモノだけを見れば、ものすごく優秀かもしれない。
なので日本におけるHI-TECは、HI-TECというよりも、「HI-TECの名前がついているムーンスターの靴」と考えるべき。
信頼ある日本メーカーのものと考えると、また見方が変わってくるんじゃないでしょうか。
購入後まだ実際には履いていませんので、雨の日が楽しみでございます。