突然、黒がしっくりくるようになりました。
黒い服は数年おきペースで、定期的に着たくなる気分が巡ってくるのですが、毎度毎度なんだかイマイチな気がして、一瞬でそのマイブームは過ぎ去っていました。
ところが今回の黒気分は、これまでとは違って妙に馴染む。自分の中で奇を衒った感じがまったくしません。
さて、以前、この画像に対して「黒い服を着た人がいない」と感想と自論を述べたところ、Twitterで4ケタ程度拡散されたことがありました。
1978年、新宿から見た新宿三丁目方面 pic.twitter.com/gPGQaiChtj
— ちょっと昔の日本の景色bot (@japan80to00) 2023年7月14日
黒は90年代くらいまで、カラバリの中で真っ先に選ばれるようなベーシックカラーではなかったと考えています。もちろんラインナップとしては普通に存在してましたけど、どちらかというと尖がった人たちが好んで着る色でした。
「ロック」な人、美容師、ギャルソンヨウジ、ゴス......
ディスコの受付や初期ヴィジュアル系バンドは「黒服」と呼ばれていたことからも、黒が “普通” ではなかったということがわかると思います。
「ロック」とカッコ付きにしたのは、ロックの中でも黒いイメージなのはロカビリーやNYパンクやヘビメタのような、どちらかというと古臭くておっかないほうの人たちだったから。過激さの象徴でした。
例外的に黒が多かった印象があるのは外套くらいでしょうかね。
その潮目が変わってきたのは意外と最近で、エディ・スリマンとやらがクリスチャン・ディオールのデザイナーになって、(古臭いほうの)ロック・スタイルをリバイバルさせて以降だと思っています。2000年代半ばくらいから「まずは第一に黒」「黒が真っ先に売れる色」という価値観になったという気がしています。
“エビデンス” は無く、あくまで肌感覚なので、断言はできないんですがね。
それが僕の自論なんですけども、別に黒が嫌いというわけではないんです。
ただ僕自身が、そういう過激で強いキャラではない。そして基本はオルタナの人間なので、古臭いロックっぽい格好には抵抗がある。黒を着ると “かっこつけ感” が出てしまって、どうも照れくさい。しかも2010年以降は世間で黒い服が一番多くなり、みんな真っ黒なので、外出したときにうんざりしてしまう。
そんな背景があり、黒は好きながらもあくまでカラバリのひとつという位置づけで、ネイビーを自分のベーシックカラーとするようになっていきました。
そして、久方ぶりにやってきた黒のマイブーム。それが、これまでとはどうも違う。
上下黒でも、自分で “かっこつけ感” を感じない。奇を衒った感じがしない。
なんでだろう? と、鏡を見ながら考えました。その結果なんとなくわかったのが......
加齢だ。
白髪も混ざり始め、顔はガサついて、小皺やシミも出てきました。身体もたるんで丸くなりました。
それが黒の強さを感じさせなくなって、バランスが取れてきた。若い子が黒を着たときのような、イキりや無駄な自己主張が表に出ていない気がする。
今回の黒ブームの始まりは夏でしたが、冬も継続です。もしかしたらこのまま、黒もマイスタンダードに追加されるかもしれません。
そんな中で今シーズン買ったアウターが、OAKLEYのこちら。
経緯はこちらの記事に書きました。
教えてもらったところ、オシャレーブランドの「ACRONYM」や「KIKOなんちゃら」あたりが発端となって「テック系」というキーワードが広がり、その流れから、古着を中心にOAKLEYが注目されるようになってきているようです。
でも新品のインラインはまだ注目されていないはずなので、今が狙い目かと。
こちらは日本企画のアイテムですが、代理店のライセンス商品ではなく日本支社が企画開発している商品ですので、マイルールとしてもアリとします。
USサイズと日本サイズが違ってて、日本サイズはワンサイズ上の表記。
amazonで買ったのですが、僕としてはUSのXLを注文したつもりが、届いたのは日本XL。「しくじった!」と思ったものの、袖を通してみたら意外にもイメージどおり。もしもUS XLだったらオーバーサイズすぎて着づらかったかもしれません。結果オーライ。
内側がキルティングになっており、ポケットも多数。バッグ要らず。こういうところの機能性は日本企画ならではかもしれません。
裾に同色でさりげなくロゴマーク。
逆にこういうのは、いかにも日本企画な悪いところ。完全に不要だし、書いてある内容もダサい。目立たないからいいけど。
なによりあったかい。着た瞬間にダウンに劣らない保温性。
全体的に丸っこく、黒だけどシュッとしすぎていないのも僕に合っているポイント。
経験上、こういうタイプは着込みすぎるとみすぼらしくなってくるので、そうなったら買い替えなきゃね。でも我ながら良い上着見つけちゃったな。
上記リンクは今シーズンのもの。ポケットの位置などが変わっています。こちらも変わらず良さげ。
BEAMSでも取り扱いがありました。
オフィシャルではセール中。在庫僅少。
これまでは苦手だった真っ黒いズボンも数本買ったし、ハイゲージニットはもともと何着か黒を持ってるし、今シーズンの一張羅は全身黒でいきたいと思います。
イメージは作詞家の松本隆さんです。松本さん、近年は意識的に全身黒で固められてて、とても格好いいんですよ。
https://www.instagram.com/takashi_matsumoto_official/
Arc'teryxのオシャレーラインが多いっぽいですね。足元はいつもNew Balanceで。他のアイテムも僕なんかとは違って全部ブランドものでしょうけど。
と、今冬は黒い服ばかりを新調していますけど、ネイビーを嫌いになってはいないので、それを外すこともないとは思います。
なんと言っても基本中の基本であるジーパンが紺ですからね。
それでは、また。