とってもおしゃれブログ

へそまがりな洋服好きの中年が全然おしゃれじゃない偏屈アイテムについて個人的な思い入れを語るブログです。

菅田将暉に見つけてほしくないズボン

先日、菅田将暉っていうファッションリーダーの俳優がテレビに出たときに穿いていた影響で、スウェーデン軍のズボンが古着屋やミリタリー屋から一気に消えているようです。

 

www.yamadakoji.com

 

スウェーデンの軍パンというモノ自体はレアでもなんでもなく、古着屋やミリタリー屋には昔からよくあるアイテム。これまでは特別に人気というわけでもなくごくごく普通のレギュラーアイテムだったので、昔は安ければ3,000円程度で売られていました。

もちろん僕も持ってましたよ。でもグリーンが鮮やかすぎて意外と合わせづらく着用頻度が低いので、大昔に処分してしまってます。

 

 

そんな中、米軍のジャングル・ファティーグと並んで僕が一番好きなのは、ドイツ軍のモールスキン・パンツというものです。

以前も当ブログで取り上げてますが、ヨーロッパの軍パンが人気だということで、内容もだいぶ被っちゃいますけどもう一回書こうかなと。

 

 

フランス軍のM47を中心に軍パンの人気が高まる中、昔からユーロ・ミリタリーでは定番なコレが、何故かなかなか取り上げられないんですよ。

 

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先の記事でも書いたとおり、本当にアタリが出やすい。

前回の投稿は買ったばかりのときに書いたものでした。そこから1年間ちょっとの間に数回穿いただけで生地も柔らかくなってパッカリングやスレ、捻じれが出てきてます。これはもうそういうものなので、アジと捉えます。

 

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でも、

  • ワンタック入りで緩やかなテーパード
  • 米軍や仏軍に比べて細めで太すぎない
  • 色味が落ち着いていていろんな服に合わせやすい

という特徴があって、マジで使い勝手がいいんですよコレ。モノ自体はもっと人気が出てもおかしくない良品だと思ってます。

 

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唯一の難点は生地が厚めなので夏場には向かないところ。夏場は米軍のジャングル・ファティーグ一択です。

 

 

このズボン、これまでも微妙に流行ってはきたんです。ただし誰でも持ってるとか知ってるとかいうレベルの流行ではなくて、“ソレ系”の店でよく取り扱われていたものだ……という感じ。

はっきりとしたジャンル分けは無いんですけども、「Bshop」に代表されるようなユーロ系インポートショップといえばイメージしやすいでしょうかね。

 

これに、SAINT JAMESやORCIVALのバスクシャツを合わせて、足元にはビルケン。そして上着にはLAVENHAMのキルティング・ジャケットかBarbourあたりを羽織るわけですよ。あっという間に00年代前半のユーロ系お決まりコーディネイトがひとつできあがりってわけだ。

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ただしこれ、いま人気にならない理由のひとつかもしれませんが、実物の古着のタマ数がイマイチ多くない

もちろん全然無いわけではないですし、商品数が多い古着屋ならばポツポツとは見つかります。でも上記のとおりヘタりが目立ちやすい生地なので、どうも状態がよくない印象がある。もしかしたら実物の中古は、着られる状態で残っているものが少ないのかもしれない。

 

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※やはり“希少” “数年ぶりに入荷”と書いてある……

 

 

ちなみに僕がいま穿いているのは、たぶん実物のデッドストック。中田商店で普通に買えました。

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※たった1年間でタグも消えちゃった。

 

「買えました」というのは、中田商店でも実物はもうラインナップからほぼ消えてしまったから。僕が買ったときが、在庫のラストあたりだったのだろうと思われます。

※ワンサイズのみ実物が残ってます → https://www.nakatashoten.com/contents/eu-92.html

 

 

では、今の中田商店や、かつてユーロ系インポートショップでよく売られていたものは何なの? といいますと、ドイツのミリタリーウェアのメーカーがオリジナルをもとにして作った一般向けの民生品ということなんですな。

 

当時よく見かけて、僕も数本持っていたのが「TOMTEX」というブランド名のもの。

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他には「WINNEN」というブランド名のものも見かけましたが、でもそれぞれどこのメーカーが作ってるのかなんてのはわからずにいました。

 

▼ WINNEN

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※90年製の実物なので、このブランド名は実物とレプリカの両方に存在しているっぽい。

 

 

んで、最近よく売られてるのは、「MIL-TEC」というブランドのもの。

 

www.miltec.de

www.nakatashoten.com

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これらをインターネットのGoogleというサイトで、あれこれと検索をしてみたんですよ。そしたら「TOMTEX」も「WINNEN」も、どうやら全部このMIL-TECを展開する「Strum」社系列の製品らしいとうことまではわかりました。ほへぇ~。

※参考 →  thttps://lubys.ocnk.net/product/3519

 

僕は実物よりも逆にこっちのレプリカのほうに慣れ親しんでますし、これに関してはこれからもオリジナルにこだわらず、このレプリカのほうで十分ですな。

 

 

というわけで、実物の古着で状態の良いタマはあまり多くなくて、入手しやすいのは民生品のレプリカですから、古着アイテムとして注目されるのはたしかに難しいかもしれない。

 

ただ、もともとサープラスではドイツ軍のアイテム自体はとてもメジャーだし、タマ数も多い。なのにファッション・アイテムとしてはどうも人気が出づらいという印象があります。同じくモールスキン素材のモッズコートもあって、そっちは比較的人気があるけど、やっぱりコスプレ感が強いというか、見た目がハードすぎてどうしてもアキバ系の人みたいになりがち。

 

うん、そうなんですよ。ドイツ軍のアイテムって、いざ着るとどうしてもガッチガチのミリタリー野郎になりがちなんですよ。

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ゆるだぼでかわいい感じが人気の現在のファッションシーンにおいては、なかなか注目されづらいかもしれないっすね。

 

 

ところがモールスキン・パンツだけはナチュラルなユーロ系カジュアルに合わせやすくて、堅苦しい印象が無い。むしろある意味、ドイツ軍の中では極めて例外的なアイテムだということかもしれません。

 

 

さて、ここまで読んで、僕が「ドイツの軍パンが人気が出ればいいのになあ」と言っているように思うかもしれません。

でも、まったくの逆です。このままひっそりと、今くらいの存在感のままであってほしいなと。

 

何度も書いているとおり、生地にヤレが出やすいので、買い換える必要がある。そうなったときに人気で買えないとか値段が上がったなんてことがあったらとても困る。

 

「こんなにかっこいいのに他の人たちは知らないんだぞ」ってのがうれしいわけです。だからこれに関しては、インフルエンサーやYouTuberたちに見つかってほしくないのであります。

またインポートショップで再注目されて、定番としてもっと買いやすくなるといいな、というくらいですかね。

 

この記事を書きながら眺めてたらやっぱりめちゃくちゃ良いなと感じたので、秋冬になったらもっと出番を多くしていこうと思います。

 

 

▼ 実物DEADSTOCK

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※1998年製なので、ほんとに実物かね? という疑念もある。

Calexico 501

当ブログで一番アクセス数が多いのが、現行のLevi's 501について書いた記事。

 

それについてもうちょっと触れようかなと。

 

おさらいすると、上記の記事で書いたように、新品で買うジーパンはよくできたレプリカやデザイナーズじゃなく、いま普通に売られてる501で十分だなと思ってます。ただしリーバイ・ストラウス ジャパン社による日本企画ではなく、インポート屋などで売られているアメリカ本国企画であることが必須。そして今は中南米を中心にアフリカに至るまで世界各国に工場がある中で、もしも選べる状況にあるならばメキシコ製をチョイスすること。

 

USA製が終了した直後、まずは製造国がメキシコに移ったわけですが、その際買ったメキシコ製が「USA製レギュラーより良いんじゃないの?」というレベルの色落ちをしまして。古着屋の商品説明でもそう書かれてたのを見たことがあり、信頼性があります。

 

んで、以前の記事では「古着ではUSA製だけを買う」と書きましたが、そこはルールを変えまして。

 

ここ1~2年で、USA製の“レギュラー501”もどんどんタマ数が減って、値段も高騰してしまいました。

以前はセカストやトレファクなどのリサイクル屋で1,000~2,000円程度で見つかっていたのに、そういう店でもちゃんと付加価値が付けられてしまって、ふらっと拾ってくるようなことができなくなっちゃいました。なので、メキシコ製を安く見つけたら“遠い未来のヴィンテージ”として先行して買っとこうかなと。

 

今持ってるメキシコ製はこの4本。

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過去にもう2本ほど穿きつぶしてます。穿きつぶしたというか、なんかボタンの具合がおかしくて閉まらなくなったりして。

 

……と、ここで話を終えてもいいんですけど、自分はマニアなもので、貴重なヴィンテージじゃなくても持っているアイテムについてはいろいろと調べたくなっちゃう性分なんです。

 

 

まずは製造年月。

 

USA製の501ってのはタグに生産情報の記載があって、その読み取り方は先達が調べ尽くしてくれてるのでいつどこで作られたのかがすぐにわかるんですけど、現行品は仕様やタグの表示内容が変わったのでそれがわからない。でもこれまであったものをわざわざ無くすというのも考えられないので、きっとどこかには書いてあるはず……。

そんな感じで、モノを見ても00年代なのか10年代なのかは大雑把にしかわからずにいたのですが、さすがインターネット。調べて載せてくれるサイトが出始めましたよ。

 

shibaken.work

 

いや~助かる~。超便利~。これで今持ってるものの製造年月がわかるようになりました。

 

ではでは、自分が持ってるものを見てみましょう、と……。

まずこちらは10年弱前に上野の「ヤヨイ」にてリジッドで買ったもの。

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ね? 良い色落ちでしょ。

 

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あっれ~? さっきのサイトにあるのとちょっと記載内容が違うぞ。でもそれぞれ該当する数字は読み取ることができます。これは2012年の、記念すべき第1週目ということになりますね。あけましておめでとうございます。

 

次。

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まだ濃い濃いな一本。こちらは2011年の9週目。2月末か3月頭だ。

 

 

もう一本。

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やったー! 「1111」のゾロ目だ!!

2011年の11週目に製造されています。

 

 

 

ちなみにこちらは501ホワイト。こちらもヤヨイで購入。

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おやおや、こちらは2011年の8週目。

工場番号は「4093」。ブルーデニムのほうは「4032」ですから、メキシコ内でも複数の工場があることがわかります。ブルーデニムとその他では、工場が違うんだと思います。

 

 

なんと、いま僕が持ってるメキシコ製501は偶然にも全部、2011~2012年のごく近い時期に作られていることが判明しました。でもそれじゃ、サイズが違うだけで、こまかい年月ごとの違いを検証することができないじゃないですか……。

 

 

先の記事に載せている、ボタンが閉まらなくなってもう手元には無い一本は新品で買いましたので、間違いなく2000年代のものです。

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今となってはタグの表示内容はわかりませんが、ウエストに「501」と書かれたセンタータグが付いています。これがおそらく、00年代の特徴と言えるんじゃないかと思われます。いつかは安く見つかるでしょうから、その際は再度入手してみましょうかね。

 

 

んで気になるのは、メキシコ製とその他の製造国との違いでして。

 

現行501はメキシコ製しか持っていないのですが、505は上野ヤヨイにメキシコ製の在庫が無かったので、ニカラグア製を買って穿いています。

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色落ちは普通にいい。生地・色落ちに関しては、製造国の違いはあんまり無いのかもしれない。

 

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やっと出た、「CW」表記。2013年6週目の製造。ということは、この「CW-○○○○」という表記になったのは2013年頃からというのがわかりますね。

 

 

ところが一点、どうしても気になることが。

 

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ちょっと~! この紙パッチはなくない!?

 

これまで見てきたメキシコ製は、USA時代のパッチが踏襲されてるので特に気になるところはなかったけど、こっちはデザインが簡略化されててショボすぎる。でも近年のアイテムを見てるとこのパターンはとても多いので、製造国に関係なく全体的に変更されたのではないか?と思われます。

 

というのも、先ほどのタグの製造年月表記が「CW-○○○○」表記になったのは2013年と書きましたが、実は501自体が2013年にマイナーチェンジをしてるんですよ。

 


シルエット云々については僕は興味が無いのですが、ステッチワークがヴィンテージを踏襲していたりして(トップボタン裏にVステッチが復活していたり等)、そういった面でもファンからの評価は高いらしい。

ちなみにそのリニューアルを大々的に謳ってプロモーションしたのは世界でも日本だけで、海外ではしれっと行われたそうです。いかにも日本らしいお話。

デザインや仕様に関しては全世界で統一されているはずなので、内タグも紙パッチもそこが境目になってるんでしょうね。

 

 

てなわけで、2000年代のものと2013年以降のものも、比較するために見つけたら買わなきゃいけない。もともとは無駄なことにこだわらず今あるものを適当に買って着ようと思って、付加価値のまったくついていない現行501を穿いていたはずなのに、結局はディテールにとらわれてる。

もうこれは性分なのでどうしようもないっすね......。

 

しかし、めちゃくちゃ詳しく調べ尽くされているヴィンテージと違って、逆に新しいモデルのほうがわかっていないという逆転現象が起きてるのも面白い。

まあ、古着ならば買うとしても1,000円程度の出費なのでさほど痛いもんではないですが、置き場所と浪費する時間やカロリーを考えると、決して割がいい趣味とも言えませんなあ。

www.youtube.com

OMOIDE IN MY FOOT

これまでいろんなスニーカーを履いてきた中で、一番思い入れがあるのがコレ。

 

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ALL STARのレザーHi。色はブラック。こちらは2代目です。

USA製にプレミアが付き始めた頃。定価より高くても今のうちに買っておかないともう二度と手に入らないだろうと考え、古着屋にてデッドストックを購入。

 

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もちろんMADE IN U.S.A.です。

 

 

初めてこれを履いたのは、たしか高校2年生のとき。

世はハイテク・スニーカー全盛。正確にはピークを迎えて、ごく一部の早い人たちが次なる一手を探し始めていた頃ですかね。

 

エアマックス、フットスケープ、ポンプフューリーをはじめとしたハイテク・スニーカーは、山形の田舎ではたとえ欲しくても簡単に実物が見つかるようなものではなくて、高校生のお小遣いで手に届くような値段ではなくなっていたので、憧れながらも実際に購入はできませんでした。

 

とはいえ近隣の都市部に行けば売ってたり、ネットはないけど雑誌に載ってる広告等で通販自体はあったので、周囲に履いてるやつらはそこそこいたんですよ。

 

でも、その時代から今に至るまで基本的には変わっていない僕の性癖がありましてね。

 

みんなが欲しがってる流行りものや、人と同じものがどうしても嫌なんですよ。

人と違うところで面白いものを見つけたい。人気があるものに高いお金を払いたくない。へそ曲がりでひねくれているのは子供の頃からの性分なので、これはもうどうしようもない。

 

なので、他の人と少しズレてて値段的にも在庫的にも手に入れやすく、カッコイイ靴は何かないものかと思っていたとき。

雑誌『Boon』の「次にくるスニーカーはこれ!」みたいな特集に、注目モデルのランキングTOP 20が載っていて、その20位にランクインされていたスニーカーがコレ。

 

 

CONVERSE オールスターのレザーモデル。

 

 

「スニーカー = ハイテク」だった時期に、それ以外のスニーカーが注目されていることにビビっときましたね。

さらに中学時代には、すかんちローリー寺西が当時の衣装で履いていた赤のオールスターを真似して買っていたこともあり、すでに自分に馴染みがあったというのも理由のひとつ。

 

 

そして、レザーのオールスターの中でも特に、黒のハイカット。これがすぐにピンときたんです。

 

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これだ。SLASHが履いてるやつだ。

 

当時はグランジ以降のオルタナティヴ・ロックが全盛で、僕もHR/HMは完全に卒業してました。

GUNS N' ROSESも活動休止のような状態でしたが、僕が生まれて初めて聞いた洋楽ロックがガンズで、持っているギターもSLASHタイプのレスポール・モデル。音楽の好みは変わっていたものの、スラッシュは変わらず大好きなギタリストでした。

 

昔から、身に着けるものにはカッコイイ以外の理由が何か欲しいんですよね。特に僕は服よりもずっと音楽のほうが好きでしたから、音楽的なバックボーンはどうしても欲しい。

オールスターのレザーハイカットは、まさにこれにピッタリだと直感したんです。

 

ただ、その記事を見つけたのは、果たして自分が最初だったのか……?

ファッション好きでかなり情報通の同級生がいて、そいつを中心に、クラスのみんながファッションに夢中でした。古着もモードも裏原宿も、ギャルソンもエイプもエアマックスもポーターもセッターも、みんなそいつが見つけては誰よりも先に入手して、学校中に流行らせる。

あの『Boon』のランキングにあったレザーのオールスターを見つけたのは、そいつが先だったか僕と同時だったかは、今となっては思い出せません。

 

たしか、僕がそいつよりも少し先に黒レザーのハイカットを入手した記憶があるけど、そいつも同時期に白レザーのローカットを買って履いていました。

 

ハイテクを履いてるやつらが学校で盗まれないように教室へ持ち込んで置いておく中、平気で下駄箱に入れたままにできるのもよかった。

他のやつらにゃこの良さはわからないだろうという優越感を味わえた、最初のアイテムだったかもしれません。

 

ちなみにその同級生は高校卒業後に服飾学校を出て、古着屋に勤め、現在は着物業界で活躍中。今でも仲がよくて、つい先日もLINEでニューバランスの話などをしてました。

 

 

そして、僕がオールスターを履き始めた直後に、ハイテク・ブームは一気に凋落。

その反動としてコンバースの人気が急激に高まり、ハイテクに対抗して“ローテク・スニーカー”という言葉も生まれ、形勢が逆転していくことに。

藤原ヒロシが履いたジャック・パーセルやNorthwave、ムラジュンが履いていたVANSのスリッポンなどが注目されるようになるわけです。

 

そうそう、ジャック・パーセルカート・コバーンが履いていたってのはほとんど後付けで、90年代に流行らせたのは結局、藤原ヒロシだったんですよ。

 

何はともあれ、ひねくれたおかげで人よりも先に目を付けたコンバースが、結果的にはその後、流行のど真ん中になったというお話。

人と違うけどカッコイイものを探し出して、人気が出たときに優越感にひたる快感を覚えた最初の経験と言えるかもしれません。

※もちろん、僕がひねくれて選んだもの全部が流行ってるわけじゃなくて、ごく一部です。もしもぜんぶ流行ってたら僕も藤原ヒロシになれちゃいますからね。

 

 

その黒レザーのオールスター、大学時代もずっとメインで着用し(何せ、くたびれたほうがカッコイイ靴ですから)、社会人になるまで履いていたと思いますが、ハトメも取れてソールもダメになり、さすがに処分。

 

USA生産の終了からしばらくして古着屋でデッドストックで見つけ、買える値段のうちに買い直しておこうと思い入手したのが、写真に載せた2代目というわけです。

 

 

 

そんな最も思い入れの強い一足なのですが……

 

 

メルカリで売りに出しました!

 

www.mercari.com

 

 

何なんだよふざけんなよって話かと思いますが(笑)。

 

いやー、もうこれ、みんなが欲しがる希少品になっちゃったじゃないですか。

先に言ったじゃないですか。ダメなんですよ、僕。そういうのが。

レアで人気のあるメジャーなアイテムは基本的に楽しくないんですよ(笑)。

※もちろんNew Balanceフラッグシップモデルのようなド定番になれば例外もありますよ。

 

しかも、あんまり貴重だと履くときにビビっちゃうじゃないですか。汚したり傷をつけたりできませんから。

でもオールスターってそもそも、そんなふうに恐る恐る履くようなもんじゃないと思うんですよ。先述した通り、汚いくらいがカッコイイ靴ですし。

 

買い替えがきかない靴を、気を使いながら大事大事に履くのがもう無理になっちゃったんですよね。さらに、NBに慣れちゃったらオールスターなんて足が痛くて履く気も起きませんし。

 

なので、欲しい人がいるのなら売っちゃえ! と。

 

とはいえ、思い入れの強い一足ですから、投げ売りはしません。

値付けは今んとこちょっとお高めですかね。値下げ交渉は受け付けますが、アホみたいな値下げもしません。

もしも欲しがる人がいたら譲ってやってもいいかな? って感じの出品です。

 

 

最後は宣伝になっちゃったんですけど、大事なものが手元からなくなる前に記録を残しておきたいと思いましてね。

そんなところです。さようなら。