自分が一番気に入っているTシャツを、大きめサイズで買い足しました。
Champion の「T2102/HERITAGE JERSEY TEE」。
バインダーネックで、肩幅と身頃が広く着丈が短めという、とても今っぽい形。
買ったばかりのときはどうも以前よりも生地が薄くなった気がして、7ozなんて嘘じゃないかと思うくらいでしたが、洗濯するとギュッと目が詰まっていい感じになりましたよ(とはいえ昔よりは薄い)。
ゴワゴワで横に広くダバーっとしてて、着心地はものすごく良いです。
▼2023年7月7日現在 超激安です。10年前より安い。これはヤバい。
以前もこのTシャツについて書いてます。
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さて、Champion で人気のTシャツといえば、この「T1011」というモデル。
これは日本のヘインズブランズ ジャパンが企画・販売する日本国内向けの商品で、MADE IN U.S.A.ではありますが、アメリカ本国のChampionでは展開されていません。
日本の規格で作られているのでサイズ感も良いうえに、みんな大好きアメリカ製ということで、ファンの多いモデルとなっているようです。
なお僕は「海外のインポートアイテムしか買わない」という自己ルール(※稀に例外アリ)を課しているので、このモデルは個人的には範疇外となります。
が、読んでて気になるのはこのあたり。
その歴史は1930年代にまでさかのぼり、幾度かの製品改良を経て、本国では“Heavy Weight T-shirts”の代名詞と呼ばれてきました。
......らしいのですが、僕もそこそこ古着を愛好してきたにもかかわらず、「T1011」なんてモデル名をたったの一度も聞いたことがないのです。それなのに、さも常識であるかのように品番を冠して売られていることが以前から疑問でした。
とはいえ、おそらくあのモデルであろうということは察しがつきます。
これは80~90年代くらいのもので、タグの色や仕様から、「青タグ」とか「刺繍タグ」とか言われていることが多い印象です。
(古着としては近年物ですので、まだ一般的な呼称があるわけではないと思います)
ヘヴィウェイト生地で、バインダーネック。身幅が広く丈が短めな形となっています。
おそらくこのTシャツのことを言っているとは思うのですが、T1011 なんて呼ばれ方をしている記憶は一切ありません。
ただしそれが「品番」であろうことはすぐ察しがつきます。きっと社内や流通上では通じる名称なのでしょう。でもその品番は、タグには一切記されていないのです。
そんな疑問をTwitterでツイートしたところ、貴重なリプライをいただきました。
— kitSuNe(7) (@hondatriangle) 2020年7月2日
無言で写真のみ。超ドライ。
デッドストックの紙タグに、はっきりと「T1011」の文字が! やはり上記のTシャツが「T1011」であることがわかりました。
でもここでさらに、「T1011」という品番はどこまで遡れるのか?という疑問が湧きます。上記私物は80~90年代のもので、決して古くはありません。
このあたりは「T1011」だと思われます。
チャンピオンの古着Tシャツを代表するボディといえばこちら。
http://bridge09.shop-pro.jp/?pid=101499318
コットン88%とレーヨン12%混紡の杢。いわゆる「88(ハチハチ)」と呼ばれているモデル。
でも杢のものは T1011 とはまた別のようで、正式なモデル名は「77QS」というらしい。
おそらく、杢ではないカラーのボディが T1011 なんだろうと思われます。
ところがコットン100%でもこのあたりになるとバインダーネックではないので、T1011ではない気がします。
↑ちなみにここのブログはマジすごいです。世界でもトップクラスのチャンピオン研究家です。
......なんだかよくわからなくなってきました。
要するに、「T1011」って名称はまったく一般的ではないうえに、別に代名詞と言われるほどの知名度もなければ定番でもないんじゃないの? ということが言いたいわけです。
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話は最初に挙げたTシャツに戻ります。
バインダーネックでコットン100%のヘヴィウェイトTシャツということは、僕が愛用する「T2102(HERITAGE JERSEY TEE)」こそが「T1011」の正統な後継モデルなんじゃないですかね? と言いたいわけです。
ていうか、T1011 と T2102 が同じ系譜にあるモデルであることは、自分で持っている古着と比べても間違いありません。
現在はUSA製ではなくホンジュラス製となっていますが、アメリカ本国で展開されているという事実こそが “正統” だと僕は思っています。こっちが本物のアメリカン・スピリッツ。
日本の代理店が発売している「T1011」という商品自体を批判することは一切しませんが、これを純正なアメリカン・アイテムだと思っている人も多数いるようなので、そういう点に関しては公正ではないんじゃないかと思っちゃいます。
「やっぱりアメリカのTシャツは良いよな~。日本のとは違うよな~」と言いながらT1011を着ている人がたくさんいるかと思うと、悲しいというか悔しいというか、騙されている気分になってしまいます。
『Championの日本の正規代理店が、Championのブランド名を用い、過去のアイテムをモチーフとして商品を企画し、MADE IN U.S.A.で生産しました』とハッキリ書くべきだと思いますけどね、僕は......
ライセンスという手法はビジネスにおいて必要なのかもしれませんが、その事実を明らかにせず、他人のふんどしで平気で儲けようとするような売り方、僕はどうしても好きじゃないですねえ......
「MADE IN U.S.A.」の表記に対する過剰な信仰心は危険だということです。
では今回はここまで。さようなら。