新しく書くネタが思いつかないのと、前回の記事が好評だったので、同じテーマで続けます。
今回はこれです。
Levi's 501 ブラック。Made In U.S.A.。90年代の古着です。
2000年前後に、ストリート系やアウトドア系の古着ファッション界隈で流行したものです。Championのリバースウィーブや、CHUMSのハリケーントップあたりを合わせるわけですよ。
頭にはKAVUのストラップ・キャップですよ。
501ブラックのオリジンは80年代なので、年代的にヴィンテージ扱いされることもなく、“永遠のレギュラー古着”のような扱いをされ続けているアイテムです。
なので、古着屋にはいつでもどこでもあるにもかかわらず、なかなか話題にされることもなく、値段が高騰することもないまま今に至っている印象です。
で、僕の501ブラックを見ていきます。
トップボタン裏の番号(工場番号)は522。
1995年12月製造。品番は「501-0660」です。
501ブラックには主に「先染め」と「後染め」があり、さらには後染めに洗いをかけたものがあると言われてまして、この 501-0660 は後染めです。
ちなみに先染めは今持っていないのですが、調べてみると「501-0658」っぽい。
通常の後染めとウォッシュ加工の違いについては、グーグル師匠に聞いてもよくわかりませんでした。もしかしたら後染めとウォッシュはどちらも「501-0660」なのかもしれません。
古着屋では定番のアイテムであるにもかかわらず、とにかくわからないことが多い。
きっと501ブラック専門のマニアもいるでしょうし、詳しく研究をしている人もいるとは思いますが、その研究結果が表立って出てくることもありません。
そのディテール研究にも興味はあるものの、僕は先染めと後染めの違いがわかるくらいでいいかなと。
後染めはこのように糸まで黒く染まっています。先染めは糸がゴールドなので、タグを見なくても意外とすぐにわかります。
実は先染めのほうが断然好きです。古着市場でも先染めのほうが人気が高く、最近はかなり見つかりづらくなってきました。
そして、先染めと後染めでは色の落ち方がまったく違います。先染めのほうが生地が厚くてコシが強く、ブルーデニムほどではありませんがヒゲやアタリが出やすくなっています。後染めはそもそも色落ちがしづらく、落ち方ものっぺりとする傾向があります。また、後加工されていますから、生地も先染めに比べると柔らかめになります。
とはいえその違いも場合によってはメリットになりますから、後染めが嫌いというわけでもありません。実際、前述の2000年前後は真っ黒のほうが良いとされて、後染めのスーパーブラックのほうが重宝されていました(今はスーパーブラックなんて呼び方は廃れてしまったようで、あまり見かけません)。
そして僕はブルーデニムと同じで、ブラックもできる限り薄く色落ちしているほうが好きなのです。白に近いグレーくらいが好み。ところが、その状態になっているものにはなかなかお目にかかれません。
もう自分で穿いて、躊躇なく洗濯していくしかないのかなーと......
後染めがこの薄さまで落ちてヒゲやサイドのアタリまで出ていますから、自分でもかなり頑張ったほうだと思います。
でもこれくらいになってくると......
生地全体がやられてきてしまい、股ぐらあたりは破れかかっています。生地の状態を保ったままで白くなるまで落とすにはどうやって扱えばいいのか、未だに答えを出せていません。
そして僕、この501ブラックは、買っては手放しまた買い直すということを、何度も何度も繰り返しています。
モノとしては好きだし、前述のアウトドア系スタイルをイメージして買うものの、穿くとしっくりこない。理由はわからないんですけど、穿いて鏡の前に立ってみるとどうしてもイメージと違う。そうなると手放す。でも古着屋で見つけると買ってしまう。そして穿いてみて(以下略)
それもひとえに、色だと思います。基本的に黒いズボンは苦手なのです。なので、とにかく薄くなるまで色落ちさせたい。でも、そうなるまでには穿き込んで洗濯しなければならない。でもイメージと違うのであまり穿かない。けど、色の薄いのはなかなか見つからない......
あまり注目もされていないのでいつでもどこでも安めの値段で手に入るのをいいことに、どうも自分のワードローブに定着しないのがこの501ブラックです。
でも無くなるとやっぱり気になってきてまた一本くらいは持っておきたくなるわけで、古着屋での“永遠のレギュラー古着”的な微妙な立ち位置そのまんま、自分のワードローブ内に居座っているような感じです。
とはいえ、USA製はこっそりながらも確実に枯渇化が進んでいますので、もしも安く見つけられた場合はとりあえず確保しておいたほうがいいと思います。
いずれ必ず高騰してくるはずなので。