とってもおしゃれブログ

へそまがりな洋服好きの中年が全然おしゃれじゃない偏屈アイテムについて個人的な思い入れを語るブログです。

びんぼうじゃなくなってもこれでいい

※価格や商品の仕様などについて、現在は記事執筆時と状況が変わっています。

 

今回は、禁断のブランドを取り上げようかと。

なんせ、このブランドで洋服の記事を書くと、PVが稼ぎやすいらしいんですよね。

日本で一番人気のあるブランドですからね。

 

はい、UNIQLOなんですけどね。

 

僕は海外のアイテムに執着してモノを蒐集するという趣向で洋服遊びをしているのですが、厳格なルールでもないので例外はいくつかあります(しかも意外に多い)。

 

しかし今回のアイテムに関しては、例外中の例外であり、特例中の特例。

しかも20年弱くらい前から、買い換えながらずっと着続けている、超が付くほどの愛用品です。

 

f:id:saito_d:20200122223949j:plain

オックスフォードのボタンダウンシャツ。

 

20年ほど前、クラシコ・イタリア…… 要するにLEON系の “ちょい悪オヤジ” が流行りはじめた頃。僕もイタリアもんの台襟の高いボタンダウンシャツに憧れましてね(今ではダサさの象徴とされる悪名高きドゥエ・ボットーニのシャツ)。

でもイタリーのシャツなんて、値段が高いうえに着こなすには若すぎたこともあり、なかなか手が出なかったわけです。

 

そんな時代に“代替品”として最初に買ったのが、このユニクロのシャツ。

 

いま考えるとオックスフォードシャツはアイヴィーのアイテムですから、系統違いも甚だしいものの、当時は「BDシャツだからこれでいいや」みたいな感覚で購入しました。

当然イタリアンな雰囲気など出るはずもありません。若さゆえの妥協。

 

その後、雑誌『Free&Easy』や『2nd』あたりがアイヴィー/プレッピーを推すようになり、ごく普通のボタンダウン・シャツも注目されるようになってきました。

とは言え世の流れはまだまだタイトフィットが主流。ギットマン・ブラザーズやインディヴィディビデュビアラなんとかの、シルエットがシェイプされて丈も短めにモダナイズされたシャツが流行の中心にありました。

それらのブランドも十分にお高かったので、僕はまだユニクロで我慢していました。

 

その後にやってまいりましたのが、リニューアルした雑誌『POPEYE』が打ち出したオーバーサイズです。この流れはまだ今も続いていますね。ブルックス・ブラザーズのオーセンティックなポロカラーシャツを、ブカブカなサイズで着ちゃってるわけです。

 

ブルックスのシャツ、昔は MADE IN USA で9,800円でしたよ。「高くもないからいずれ欲しいけど、形がダサくて……」なんて考えてるうちに、いざその形がよく見えるようになったときにはだいぶ値上がりしてて、普通に買いづらくなってしまいました。

 

 

てなわけで、今でもユニクロです。

 

 

ところがユニクロって流行の最前線ではないので、今着てるやつは、逆にウェストが少しシェイプされちゃってるんですよ……。

ちがう! 今着たいのは腰回りもゆったりしてるやつなんです!

 

 

でも何故、そんなユニクロのシャツで満足し続けてきたかと言うと、僕にとって白シャツは、あくまでもインナーなのです。

 「シャツの中に下着を着たらイケナイ」的な原理主義者の話ともちょっと違います。

 

僕は白シャツ一枚の格好が自分ではどうしても似合ってると思えず、単体で着ることはほとんどありません。どうもキャラじゃない。

白シャツの上には必ずジャケットやスウェット/セーターを着るので、外から見えるのは襟と袖口だけ。シャツそれ自体のシルエットなんて僕にとってはまったくどうでもいいんです。なのでシルエットが悪くても構わず着ているのです。

 

そもそも白シャツは汚れます。

襟は着るたびに黄ばむ。ラーメンのスープは飛ばす。刺身の醤油は飛ばす。なので頻繁に買い替えが発生します。そんなものに1万以上の大金は、出せたとしても出したくない。

 

しかも秋冬は週に何回か必ず着るので、そこそこの数が必要です。僕はいつも4~5着常備しています。そうなると数が勝負なので、今でも安いに越したことはない。

 

 

そして、僕は歴史のある服が好きです。

流行や自分の好みなどではなく、世の中にずっとあり続けたものから選び取ることで、流行を超越する。歴史を重ねた無記名性の高いジェネリックなものを選んで着る。

 

その基準に照らし合わせると、もともとオックスフォードシャツというもの自体が超ベーシックですし、20年以上に渡り一度もラインナップから外れたことのないユニクロのシャツも、ブルックスやラルフと並んで立派なシャツ界の定番品として認めてもいいんじゃない? と思っているのです。

 

というわけで、ユニクロのオックスフォードシャツ、僕にとってはもう代替品ではありません。

もしも宝くじに当たったとしても、白シャツだけはブルックスよりもユニクロを着続けるんじゃないかな。

 

 

と、ここまで書いて、最後にどんでん返し。

ほんとはユニクロよりも無印のオックスフォードシャツのほうが好きなんです。

f:id:saito_d:20200130001127j:plain

 

裾にマチがあるなどディテールが凝ってて、ボタンも安っぽくなく、生地もユニクロよりコシがある。形も悪くない。

f:id:saito_d:20200130001216j:plain

 

でも無印、1,990円から2,990円に値上がりしちゃったんです。1,000円の差はかなりデカいっす。

 

実はユニクロも一時期値上げしたのですが、なんとその後、再度値下げして、価格を元に戻したんです。

 

もしも無印が1,900円だったら、僕はここで無印の白シャツについて語っています。

ユニクロというブランドへの思い入れは、たかだかそんなもんです。

 

 

ですのでユニクロさん、お願いですからお値段このままでがんばってください!