New Balanceの「M990v4」ネイビーを買いまして。
先日、この後継となる最新モデル「M990v5」がリリースされてますので、こちらは型落ちです。アウトレット価格からさらにファミリーセールの割引価格で購入できる機会があり、だいぶお安く手に入れられました。やったね。
ニューバランスのフラッグシップモデルは基本的にオリジナルを尊重して断然グレー派なのですが、定番のサブカラーであるネイビーとブラックに関してはいつか機会があったら......程度に思っていました。今回はその機会がようやく巡ってきたかと。
履き心地の良さは言わずもがなで、今さら説明不要。メディアや他のブログでも散々レビューされてきたと思うので、ここでは特に触れません。旧モデルですし。
さて、ニューバランスのフラッグシップモデルって、スニーカーのマニアがコレクションするNIKEその他のレア・アイテムやCONVERSEの貴重なヴィンテージ等とは、存在理由が根本的に違うのではないだろうか?と考えているんですよね。
ニューバランスのフラッグシップモデルは、とにかく徹底して、履くために存在していると思っています。
「いやいや、NIKEもヴィンテージも普通に履くけど?」と言われるかもしれませんが、NBに関しては、それらとは求められているものの優先順位がまったく違うと思うのです。
NBのフラッグシップモデルは見た目の格好良さよりも履き心地のほうが圧倒的に重要で、最新モデルがどんなに格好悪くても、好きな人は履くのです。そしてメーカー側もメディアも消費者も、真っ先に履き心地について語りたがります。
ところが一方のNIKE エアマックスは、新作のテクノロジーがどんなに進化していても、見た目で支持を得られずに不人気モデルとなってしまうことはよくあります。ニューバランスにはそれがほとんど無いのです。
※もちろん、そういったケースが皆無ということではありません。例えばNew Balanceのいわゆる「1000番台・2000番台」では、M2000とM2001は見た目がダサすぎて大きな人気とはなりませんでした。ですが、それでも愛用者はいましたし、靴屋だけではなくちゃんとセレクトショップでも取り扱いがありました(ちなみに僕もM2000を持ってました)。ファンは「ダサいな~」と言いながらも履くし、お店も売るんですよね。
最新モデルもこれですよ? 冷静に見てもらいたい。かっこいい……?
https://shop.newbalance.jp/shop/e/eEnb-made990
でも、その履き心地の進化に関しては本っ当にハズレが無いので、我々ファンも安心して新作を楽しみにできています。まるでスピッツの新曲みたいだな。
それじゃあ、観賞用や保管用のコレクション・アイテムとしてではなく、実際に履くことが重視される理由とは何だろうか?
それは、“儚(はかな)さ”。
“はく” のに “はかない” !!!
はい、そうです。この冗談が言いたかっただけです!
とにかく脆いのです。ポリウレタンのソールを採用したスニーカー全般が避けて通れない問題に「加水分解」がありあますが、ニューバランスのソールは特にそれが起きやすい。除湿もメンテもせず保存しようものなら、ソールは10年ももたず粉々に(特にENCAP)。
もちろん着用していれば早期の加水分解は防げますが、それでもソールの変色が異様に早く、すぐに黄ばんできてしまいます(グレーのミッドソール素材もいつの間にか黄色に)。
▲まだまだ現役のM990v3ですらコレ
▲まだギリで履けてるけど寿命間近のM993
そしてソールのみならずアッパーのパーツや履き口も、経年ならびに使用のダメージによりボロボロになりがちです。
▲M993の被害状況
▲まだまだ現役のM990v3ですらこの有り様
今回買った900v4も、最新のv5も、この点に関しては同じではないかと思われます。
履かないままで取っておくとソールが劣化して性能は落ちるし、加水分解ですぐダメになってしまう。
履いていたとしても素材は経年劣化していくし、ソールは黄ばんで見た目も悪くなる。
かといってハイテクスニーカーは、経年劣化やダメージがアジとなることはない。
もう、買ったら今すぐ履かなきゃダメなわけ。いつ履くの? 今でしょ!
その脆さがいつまでも改善されないのは、素材の耐久性よりも機能性を重視しているためでしょうか......(せめてそうだと言ってもらいたい)。とにかくニューバランスは、買って履いて消耗して、買い直すしか道はないのです。
過去モデルのリイシューはまた別の話として、その時に出ているモデルを買って、その時に履いて、潰す。ただし履き心地は最高である、と。
でもそれって完全にツールとしての使い方ですよね。ファッション・アイテムとしてのそれではない。だから僕はニューバランスが好きなのです。
加えて、脆いくせに値段はどこよりもお高いときたもんだ!
でもだからこそ、ステータス感がある。ファッション目的としてではなく最高の機能を求め、耐久性が低いのに高額。でも買う。これぞ大人の嗜みです。ただオシャレが大好きな若者とは違うのです。
一部では「スニーカーマニアが行きつく先はニューバランスだ」とも言われていますが、そういったことも背景にあるのでしょう。
先のNB大ブームが一段落し、流行遅れの扱いを受けるのではないかと心配していましたが、結果的にはファンの絶対数が増えてさらに確かな定番として定着しただけでした。ニューバランスがただのファッション・アイテムではなかった証拠ではないでしょうか。
さぁて、今回買った型落ちの990v4はいつまで履けるでしょうかね? いろいろ言いましたが、こんなお高いモノをそう簡単に買い換え続けることもできないんで。消耗品だとしても、長く履けるに越したことはないんです。頼みますよ。
ま、普段から無駄遣いをせずにニューバランスにだけ投資してれば、定期的にフラッグシップを買い換えるくらいのことはできるんですけどね笑。
でも、それもそれで無理だなぁ。もうさっそく新しくクラークスが欲しくなって探してるもんね……汗。
▼前回のNew Balanceのお話はこちら。似たような話です。